【希少品】最大のダブルリード?サリュソフォーンのリードを入手
とても珍しい「サリュソフォーンのリード」を入手しましたのでそのことについて書きます。
リード購入まで
経緯
元々様々な楽器に興味、好奇心がある性格ですが、サリュソフォーンという楽器にかつて触れた事があり関心を持ち続けています。いずれは楽器を買いたいとも考えています。
直近で特に吹く機会の確証があるわけではないですが、どうせならリードだけでも先に準備しておこうと思い立ちました。もし楽器の手配ができるなど何か機会があったらすぐに動けるようにしておこうと考えました。
以前からJDR(日本ダブルリード株式会社)で取り扱いがある事はカタログやウェブサイトを見て知っていたので伺う事にしました。
購入の様子
普段からリード等の購入でお世話になっているJDRに行って店員さんに聞いてみました。サリュソフォーンのリードは基本的に発注になり取り寄せとのことです。
店員さんが奥の部屋に確認しに行ったら、在庫が2個あるとのことで出してもらいました。すぐ入手できると思っていなかったのでとてもラッキーでした。
リードはグロタン社製で、筒状のプラケースに入っていました。中身を確認して外見上は特に問題は無さそうでした。
いくつ買うか?楽器を吹くとして、リードが1つだけだともし演奏中に割れたりしたらそのまま演奏不可能になってしまう…という想いがよぎり、両方買う事にしました。
この時点での価格は1個当たり税込み5,500円です。2個で11,000円、まぁファゴットに関係する製品としては特段高くはありません(価格感覚が狂う楽器ですw)
楽器はもとよりリードもなかなか流通していないかなり珍しいものだし、とてもワクワクしました。
リード紹介
開封・大きさ比較
それでは筒から開封します。このタイプの容器は状態保持のためにも早めの開封が大事です(特に試奏して水分を含んでる場合は)。
リードは、とにかく長い…!多少重さもあってとても存在感があります。まるで細身のケーンをそのまま持ってるかのような感じです。もしくは細長い筒状のシガレットクッキーのような感じです。
これだけだとスケール感が判らないと思いますので、他のリードを並べてみました。
【大きさの比較】
左からサリュソフォーン、コントラファゴット、ファゴット
このようにとても大きなリードで、もしかしたら最大のダブルリードなのかもしれません。
リードを観察
それではリードの先端から順に見ていきます。
ブレードの先端幅は、持っているコントラファゴットのリードとほぼ同じようです。ただ縦方向は長さがあり、その割に第1ワイヤー時点の幅は太いです。
ブレードの厚みは測っていませんが、コントラファゴットのリードよりも薄目の印象です。フランスの楽器のためかなんとなくバソンの系統に近いイメージです。削りはちょっと粗目ですね。
シェイピングとしては、ブレード部分根本時点ではまだ広がっておらず、その少し先から広がり始める形状のようです。乾燥してもワイヤーが下がってこないので良いですね。
ワイヤーは三重巻きになっています。ワイヤーの間隔もコントラファゴットの倍ぐらい広いですね。この部分には筋を入れない作り方になっています。
リード全体の立体感は、先端から距離がある第2ワイヤー時点でもまだ膨らみ感が少なくて楕円感が強いです。ファゴットやコントラファゴットの方が急激に真円形に近づいてブレードもそれに伴って膨れているように感じます。
この形状バランスの違いによってこれだけの長さを必要としているのかもしれません。
長い糸巻き部分の先にはおなじみの糸玉、素材は硬めです。その上端に第3ワイヤーが見えるし、もしかしたら糸の中か下端に第4ワイヤーもあるかもしれません。
ボーカルを差し込む根本の径はコントラファゴットのものよりさらに大きいです。ファゴット:コントラファゴットの比率と比べてもより大きいです。
これらのようにファゴット属のリードと比べても様々な比率バランスの違いを感じました。ヘッケルフォーンも専用のリードだし、ダブルリードも色々なタイプがあるんですね。
ブレード先端側を揃えるとこんな感じです。吹くことをイメージすると本当に大きいです。
リードケース
既存リードケースは…
そんな大きなサリュソフォーンのリードですが、当然リードケースが必要になります。コントラファゴット用のリードケースが既存のものとしては一番大きいので、そこに入れてみると…
・コントラファゴットのリードケース
・コンパクトなコントラファゴットのリードケース
こんな風に、いずれも長さが足りず入りませんでした…orz 前者は惜しいですが先端がギリギリアウトです。
糸玉が大きいのでケースによっては厚みも足りない可能性があります。
・ファゴットのリードケースではもちろん…
作ってみる
おそらく「サリュソフォーンのリードケース」など世界広しと言えども世の中に市販されていないと思われるので、専用のケースを作るしかありません。
ほどよい100均のプラスチックケースが手元にあったのでささっとリードケースを作りました。かつてファゴットのリードケースを作ることにはまっていた時期があるのでその要領にて。
このケースは2つのケースが繋がる構造ですが、片方で良いので接続部分をカットしました。
キリで空気穴を開けます。この穴は絶対必要ですね。薄いプラスチックなのでそれほど苦労せず穴を開けられました。
※穴は上下2か所ずつにしましたがもっと開けた方が良いです。
穴の周りに盛り上がった部分のバリ取りはカッターで、穴の中のはやすりで整えました。
あとは緩衝材を敷いてリードを収納します。完全に固定するタイプではない簡易作ですがこれで良いでしょう。
結果的に元の筒と同じぐらいの長さでした。
何か良い感じですね!こういう作業は楽しいし愛着が湧きます。
終わりに
将来のサリュソフォーン購入に向けて、また楽器があった場合に対応するためにリードだけ購入しました。
この珍しいリードを持つだけでも一歩近づいた感じがしてワクワクします。あとは様々な機会を首を長くして待っています。
気分屋でもありながら楽器への興味、好奇心が自分の特徴なので、そんな自分らしく何か面白い事ができたらいいなぁと思っています。
※後にリードケースを作りました。