ベルが真っすぐ上に突き出た細長いチューバのような希少楽器・サリュソフォーン - 楽器探究|音楽ブログ|みやだい

ベルが真っすぐ上に突き出た細長いチューバのような希少楽器・サリュソフォーン

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サリュソフォーンとは?

サリュソフォーンという楽器を御存じでしょうか?この楽器は金属製の管にダブルリードを付けて吹く木管楽器で、名称はサキソフォーン同様に発明者の名前から付けられています。元々サキソフォーン一属同様にソプラニーノからコントラバスまでがあった(イリノイ大学のサリュソフォーン一属)のですが、現在はコントラバスのみが生き残っています。

・コントラファゴットとの比較、客席側サリュソフォーン

・コントラファゴットとの比較、奏者側サリュソフォーン

この楽器は軍楽隊長サリュスが野外演奏時にオーボエやファゴットの代わりになる楽器として発明されました。しかしこの一属は一般化しませんでした。ところが意外な所で使われるようになります。それはフランスのオーケストラで、フランス式のコントラファゴット(コントルバソン)の音量が大きくなかったため、コントラバスサリュソフォーン(Eb,C,Bb管)が代用として使われることがあったのです。

有名な曲ではラヴェルの「スペイン狂詩曲」、デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」などでContrabassoonの代わりにSarrusophoneが指定されています。また吹奏楽では、当時サクソルン属を導入するなど楽器編成の最盛期を迎えていたギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団が初演したシュミットのディオニソスの祭りで指定されています。いずれもコントラファゴット同様にヘ音記号のオクターヴ移調で書かれています(ト音記号のEb譜で書かれている曲もある)。

非常に稀少な楽器であるため現在ではよほど強いこだわりがない限りコントラファゴットで代用することがほとんどです。実際にその音色はヘッケル式のコントラファゴットによく似ていて区別がつかないかもしれません。基本はファゴット奏者が演奏しますが運指が変わるので覚える必要があります。リードは違いますがサキソフォーン奏者が吹く場合もあると思います。

どんな音?どんなふうに演奏する?

・僭越ながら私が吹いた動画ですw

このように音色はよく似ていますが、サリュソフォーンの方がダイナミクスがありパワフルな音が出ます。吹奏感は意外と軽く、コントラファゴットと比べて抵抗感が少なくスムーズに鳴らすことができます。

運指はサキソフォーンによく似ていて、3つのオクターヴキーを手動切り替えし、各種替え指の機構をなくしたシンプルな感じになっています。リードはコントラファゴットよりもさらに大きく長い専用のものを使いますが、シングルリード用のマウスピースもあるようです。

メーカー

現在見かけるサリュソフォーンはほとんどはかなり古い楽器で、CONN(コーン)製が多いように思います。現在製造しているメーカーはORSI(オルジー)とベネディクト・エッペルスハイムです。エッペルスハイムはオーダーメイドで、サキソフォーンをベースにしているのでキー機構はサキソフォーンに準じた構造になっています。

終わりに

サリュソフォーンを見てみたい!という人は、吹奏楽では「ディオニソスの祭り」を演奏する団体に注目してみて下さい。演奏会や吹奏楽コンクールで、特に普段からコントラファゴットやハープなどを編成に入れる等編成にこだわりの強い団体で見られるチャンスがあるかもしれません。

次の記事でさらにディープな内容を書きました。

【関連】
ベネディクト・エッペルスハイム
イリノイ大学のサリュソフォーン一属

   

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Written by みやだい

ファゴットが好きな「みやだい」です。コントラファゴットやファゴッティーノやバソンも所有。真面目マイペース平和主義、前向きでいたい。
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