【演奏会後記】東京リサーチ合奏団 第50回記念定期演奏会 - 演奏会後記|音楽ブログ|みやだい

【演奏会後記】東京リサーチ合奏団 第50回記念定期演奏会

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おととい幻想交響曲などの演奏会を無事終えました。いつものように思うままに感想を書いてみます。

当団は吹奏楽団ながら管弦楽曲を原調かつ全楽章を演奏するという特色があり、かつてよりはもう少し一般的な吹奏楽寄りになった気がしますが、今回のような濃い曲目に挑戦することに変わりありません。

シャブリエのスペインとベルリオーズの幻想交響曲といえば、ファゴット吹きにとってはファゴットが4パートと大人数の曲であることがまず思い浮かびます。吹奏楽でファゴット4本というのは特別な体験です。

スペインは軽快な曲で序盤からファゴットとトランペットという珍しい組み合わせのユニゾン旋律があったり、少し先にはファゴット4本の旋律があったりもします。4パート別々に動いてテノールからバスまで幅広い音域に及ぶことも特徴です。当然吹奏楽曲よりも管弦楽曲らしいソロ管的な演奏感覚でした。

・ステージ上のファゴットステージ上のファゴット

幻想交響曲は全楽章パターンでも過去にも2度演奏したことがあります。1回目は十数年前の当団で、当時よりはファゴットは譜面が楽になった(オケ譜基本)ので負担は減りましたが、当時は本来tacetの2楽章も含めて連符を沢山吹いて苦労したのを覚えています。また(以前も書きましたが)この時の経験は自分にとって演奏の意識を大きく変えるきっかけにもなりました。

この曲のファゴットは1stと3rd、2ndと4thが組となり3rdと4thがアシのような位置づけで、4パートにdivisionするのは4楽章の最後と5楽章の最初のわずかしかありません。ほとんど加勢効果という感じですが、特に4,5楽章のファゴットが目立つ動きではファゴットが沢山いる存在感を出せるのが楽しいです。

楽器編成で言うとオフィクレイド代用のチューバが2パート、イングリッシュホルンや舞台裏オーボエ、ハープが2パート(×複数台)、トランペットとコルネットの使い分け、Ebクラリネットの使用、4人のティンパニ、鐘の使用など、当時としてとても画期的で実験的であったことが伺えます。

現代の吹奏楽版として演奏する際はこの編成感のニュアンスは若干変わってきますが、大掛かりで異端的な曲であることは変わりません。吹奏楽の演奏会としては静かな部分も多いし(それを繊細に演奏するクラリネット等も大変)1時間に及ぶ緊張感が続き、なんとか無事終えることができて一安心でした。

・ファゴット全体像ファゴット

前半の吹奏楽オリジナル曲では保科洋の「古祀」(こし)という曲が苦労しました。静かに繊細に波のようにうねり合うアンサンブルはファゴットの音色も活かせれる感覚が強く、中盤には迷いやすい変拍子もあり、緊張感が続く難しい曲でした。音1つ1が重要で表現に苦戦したからこそ、吹奏楽にも良い曲があるのだと感じました。

個人的には今回は2週間も続く夏風邪の尾を引いている段階だったし万全ではありませんでしたが、演奏している時はそんなことも忘れていて集中できました。でも全力を出し切れてたかというと反省も色々とあったので今後に活かしたいです。

4人で演奏したファゴットパート、やはり人数が多いとにぎやかで楽しいし皆さん頼れる人達だったので刺激を受けてとても充実した演奏ができました。

10回前の第40回目は合唱付きの第九を演奏した盛大な演奏会だったことを思い出します。第50回としても記憶に残る演奏会になっていれば良いなと思います。関係者の皆様ありがとうございました。

・演奏会会場演奏会会場

東京リサーチ合奏団 第50回記念定期演奏会

【日 時】2025年7月19日(土) 開場 13:30/開演 14:00
【場 所】かつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホール
【指 揮】鈴木 聡
【入場料】1500円 ※当日券あり
【チケット販売】出演者、当団ホームページよりご購入いただけます。
【演 目】
・ハイパーニコン(J.ヴァンデルロースト)
・古祀(保科洋)
・狂詩曲スペイン(E.シャブリエ)
・幻想交響曲(H.ベルリオーズ)

演奏会チラシ

   

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Written by みやだい

ファゴットが好きな「みやだい」です。Fgとコントラファゴットでオケ・吹奏楽で様々に活動。【個性】ファゴッティーノやバソンも所有する等楽器への好奇心が強い。【想い】Fgを普及させたい、Fgの新たな可能性を探りたい。【性格】真面目マイペース平和主義、前向きでいたい。
X → @iadayim

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