【お手軽】桐箱を使ったサリュソフォーンのリードケース作り
市販の桐箱を利用してサリュソフォーン用のリードケースを手作りしました。その制作手順と完成品について紹介します。
コントラファゴット用など任意のサイズのダブルリードのリードケース作りにも応用できると思います。
はじめに
前提としてサリュソフォーンはダブルリードで演奏する金属管を持つ木管楽器の一属で、ここではその中では最も一般的なコントラバス・サリュソフォーンの事について扱います。
以前サリュソフォーンのリードを入手したブログを書きましたが、市販の専用リードケースが無い事からその時は簡易的にプラスチックケースに入れていました。
そしてその後に桐箱を利用したファゴット用の6本入りリードケース作りについてブログを書きました。
今回はそれと同時に購入していた桐箱を利用してサリュソフォーン用のリードケースを作りましたので紹介します。
素材と工具を準備
素材と工具を準備していきます。
■桐箱
「桐箱屋さん」というサイトで桐箱を入手しました。内寸ベースで探せて多様なサイズがあります。
サリュソフォーンのリードを定規やノギスで大雑把にサイズを計った結果、
- 長さ 約95mm
- 糸玉直径 約15mm
- 先端幅 約21mm
・左からサリュソフォーン、コントラファゴット、ファゴットのリード
これらのことから、次のように目安を立てました。
- リード長さ方向は100mm(10cm)+αで足りるが、ぶつけない為に余裕は欲しい
- 横方向は2個並べると最低60mm(6cm)、こちらも余裕が欲しい
- 厚みは20mm(2cm)で足りる
そして少し余裕を持たせたサイズで「W120D80H20」の箱、つまり内寸が W120, D80, H20(各mm)のケースにしました。
ぎりぎり3本入るかな?とも思いましたが入れてみたら厳しかったのと、このリードを同時に沢山持つことは無いことから2本入りで決定しました。
・選んだ桐箱
【箱の構造について】
ファゴットのリードケースの時に触れましたがホンインロウ(本印籠)という形式の形状で、蝶番やフックが無くても大丈夫そうです。ヤスリがけもせず、香りが強かったので何日か放置しました。
・ホンインロウの底とフタ
■スポンジ
次にリードをホールドする部分のスポンジですが、「光」というメーカーのポリエチレンスポンジを買いました。
(最初「黒セルスポンジ」を買ったのですが強い匂いが取れない為断念しています)
上から見ると100mmの正方形で、ケース幅が80mmなので足ります。
高さの20mm方向は箱の厚みぴったりになってしまうので、「リードの縦方向」に使うことにします。
■ゴムスポンジカッター
一般的なカッターよりもスポンジが切りやすいです。
■カッターマット
カッターを使うので安全のため敷きます。100均にもあります。
+定規、ノギス、鉛筆orシャープペンもあると良いです。
手作りする
製作の様子
それでは早速作り始めます。
・素材と工具全体像
こんな感じで2本のリードを配置させるイメージにします。
・リードを置いてみる
まずはスポンジをカットします。なかなかきれいに切れませんが、これでも普通のカッターよりはましです(断面ギザギザになります)。
・まずは80mmにカット(右のを使う)
断面は多少粗いとはいえ、思った以上にきれいにまっすぐに切る事が出来ました。
・80mm幅になった(底の幅にうまくはまった)
次は厚みの幅にカットします。底側の内寸厚みがノギスで実測17mmだったので、それと一致する必要はないですがそのサイズでカットしました。
・17mm厚にカット
箱にはめてみますが、粗い断面側は底にして隠れるようにしました。幅は結果的に少しきついぐらいになってちょうどよかったです。
・カットしたスポンジをはめてみた
次にリードのホールド部分を欠けさせるように加工します。まずは寸法の印を付けます。
・リードの位置をイメージ
カット自体もいきなり本番だと不安だし、余った素材で切る練習をしつつ寸法を決めました。
・余り素材(右)で試し切り、ちょっと広げ過ぎたのでフィードバック
その結果、各幅11mm、深さ8mmぐらいが良いと判断しました。
・寸法に印付け(大雑把ですが…)
付けた印に合わせてカットします。なるべく直線に…。
・ホールド部分をカットした
多少粗いですが手作りの味ということで、完璧を目指さない事が大事ですね。
裏に両面テープか接着剤を付けて固定しますが、今回は横がきつくてよほどのことがないと動かないので省略しました(位置の微調整兼ねて、落ち着いたら固定するかも)。
これで完成です!簡単ですね。
完成品の紹介
完成したリードケースにリードを入れてみます。
・リードを入れてみる
ホールド部分は少し荒いものの、桐箱自体が直線的かつ木の質感が良くて見栄えが良いです。桐箱は軽い事と湿度調整に優れている事がメリットです。
・フタを添えるとそれらしい
・フタを並べる
・先端側から
・横から
・低いアングルから
・先端側斜め上から
ほとんど桐箱とリードの造形の美しさという感じですが…(汗)。
準備の項でも書きましたが、桐箱のフタは逆さにしても外れないので蝶番やフックは無くても良いので、手作りするには扱いやすい素材です(心配ならゴムベルト等を巻くと良さそう)。
・ケースは密着する
ファゴットやコントラファゴットのリード・リードケースと比較してみました。やはり大きいですね!
・ファゴットのリードケースと比較
・コントラファゴットのリードケースと比較
おわりに
市販の桐箱を使ってサリュソフォーン用のリードケース作成の様子を紹介しました。
これでこの大きくて高価で希少なリードが保存も使用もしやすくなります。やっぱりプラスチックケースよりも質感が良いし、手作りによって愛着も湧きます。
このリードケースを利用する機会があることを願いつつ、せっかくなのでたまに見せびらかそうと思います。
他の楽器のリードケースとしても同じように作れるはずなので、流通が少ないコントラファゴット用とか、未知のダブルリードに出会った時など(?)何か参考になりましたら幸いです。
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