音楽の幅が広がりとても充実!コントラファゴット個人所有について
「コントラファゴットを個人所有」という言葉はインパクトがあります。しかし当の本人はいつしかそれが当たり前になって、その意味や価値への意識が薄れてしまっているのが現実でした。そのことにはっと気づかされて、改めてコントラファゴット購入の経緯やその効果を振り返ってみることにしました。
コントラファゴットに興味を持つ
ファゴットを始め、コントラファゴットに触れる機会もあり興味を深めていった高校時代、大学時代について。
高校時代
高校の吹奏楽部でファゴットを始めました。公立ながら恵まれていた環境でファゴットもコンスタントに1人以上いて、ハープもありコントラバスクラも2年の時に学校が購入したり、大きな編成になじみがある環境でした。初代ファゴットを親に買ってもらい活動していきます。
ある日他校の演奏会を聴きに行った時に、開演前にステージに立てられているコントラファゴットの姿を見ていいなぁと思ったのを思い出します。それがコントラファゴットを意識した最初の出来事だったと思います。JDRのカタログでは見ていましたが、実物を見たのはインパクトがありました。
そして3年の時に学校がコントラファゴットを購入しました。一般的に私立高校より予算が限られる公立高校としては珍しい事だし、顧問の先生の努力があってこそだと思います。しかし自分にとっては最終学年であり、夏のコンクールでは後輩が吹きましたが、自分としてはあまり活用できなかったという思い出があります。
・後に自分で買った学校楽器と同じアマティ
大学時代
大学の吹奏楽研究会には当初コントラファゴットはなく、ファゴットも3年からは自分1人という寂しい状況が続いていました。4年になってもファゴットの後継者はおらず、大学は各奏者がある程度経験があるゆえにコンバートが難しいという実情を実感することになりました。
そんな中で4年の時に大学は大胆に多額の予算を確保して、ほとんどすべての楽器を新たに購入したことがありました。そこにはファゴット2本やコントラファゴットも含まれていました。そうして高校よりも高価なコントラファゴットを目の当たりにして、再度コントラファゴットへの意識が高まりました。しかしまたしても最終学年だし後輩もおらず、自分にとっては全く活用できずに引退を迎えました。
コントラファゴットを購入
大学卒業後、資金が貯まってについにコントラファゴットを購入しました。
購入に至るまで
大学を出て就職しますが、「コントラファゴットが欲しい!」、ずっとそう思っていました。それを目標にまだ慣れないことの多い仕事を頑張る日々でした。メモパッドにコントラファゴットのイラストを描いていたのを思い出します。
とても高価なコントラファゴットですが、アマティという低価格を実現しているメーカーがアマチュアの団体所有や個人所有としては一般的で、それが現実的と考えていました。当時からJDRに通っていますが、できるだけ安く買いたいということでどこで買うか検討し、知人伝いにとある先生に行きつき、購入に向けたやり取りを始めました。
購入当日
そして就職して約1年後の3月、なんとか必要資金が貯まり購入できることになりました。購入の受け渡しは偶然にも誕生日の日で、何よりの誕生日プレゼントになりました。家族の車にあの重くて巨大なケースを初めて積み込んだのは何とも言えない不思議な感覚でした。念願のコントラファゴット個人所有が本当に実現したんだ!と。当日は体調が悪かったのですがそれも良い思い出です。
・コントラファゴットの巨大なケース
これで23歳にして新品のコントラファゴットに3度立ち会ったことになります。それもなかなか貴重なことですね。
コントラファゴットでの演奏活動
「Myコントラファゴット」によって実現した充実した演奏活動について。
吹奏楽での活動
そうしてコントラファゴット個人所有者となり、最初には高校のOB合同演奏会で使用しました。練習時に顧問の先生にも購入を報告し、現役+OBの合奏時に皆の前で発表されて驚かれたのを思い出します。そりゃそうですよ、高校時代はファゴットを購入する事すら珍しがられたぐらいですから。
高校卒業後は部員が大幅に増え、ファゴットもコンスタントに学年ごとに2人いる状況でした。公立高校でファゴットが6人も!直近のOBも同様に多いため、高卒後6年目ぐらいでOBも7人も参加してくれました。つまりファゴットが合計13人で吹いたのです!全体で250人を超え、コントラファゴットも2本使いました。あの時の壮大なサウンドを根底から支えたことは事は忘れられません。
・高校のOB合同演奏会で演奏(写真は後年の人数が減った時の)
その後コントラファゴットのエキストラ依頼も来るようになりました。コントラファゴットを使うのは編成や音楽追及に対して高い意識を持つ団体が多く、全国大会で有名な一般吹奏楽団の演奏会にも複数乗ることができました。貴重なこの楽器を持つ事で恵まれた機会を得る事ができると実感しました。そして楽器をレンタルするケースも出てきました。
ファゴットも世の中に足りてない現状からエキストラ依頼が多く来るようになっており、多数の演奏経験を積んで演奏技術と意識の向上に励んでいきました。コントラファゴットでそのチャンスをさらに広げるという構図になり、とても良いサイクルができていきました。
・吹奏楽のステージ上
オーケストラに活動の場を広げる
徐々に吹奏楽からオーケストラへと活動を広げていきますが、そこでももちろんコントラファゴットは重宝されます。一番最初にオケでコントラファゴットを吹いたのはデュカスの魔法使いの弟子で、まさに大活躍する曲でした。その後も様々なオケで演奏しますが、オーケストラが本領の楽器であり吹奏楽以上に編成をしっかり揃えるので、よりニーズがありました。
こうして意識の高い吹奏楽団や、吹奏楽よりも繊細な音楽作りが求められるオーケストラで演奏する機会が増えていきました。不足しがちなファゴットだけでなく「コントラファゴット所有」ということで呼ばれる機会が増えたのは間違いありません。演奏機会が増えて技術や意識がアップし、人間関係も広がり、充実した音楽活動ができています。
・オーケストラのステージ上
ちなみにコントラファゴットは団体所有が一般的ですが、楽器がメンテされておらず吹きづらいケースもあると聞きます。その点個人所有の方が楽器の調整が行き届くことと、楽器個体に慣れていることで上手くコントロールできてより綿密な演奏ができるメリットがあります。たまに他の楽器を吹いてみた時にそのことを実感させられます。
楽器の移動方法
なお、移動にはアルティエリ社製のギグバッグを使用しています。とても軽量で車を使わなくても手持ちが可能で、電車にも問題なく乗れます。FOX社製のコンパクトなスタンドと共にとても重宝し、フットワークの軽いコントラファゴット吹きが実現しています。
終わりに
このように高校時代から憧れていたコントラファゴットをついに購入し、「コントラファゴット個人所有」を実現しました。吹奏楽でもオーケストラでも重宝される楽器で、ファゴットと共に充実した音楽活動ができるようになりました。当たり前のようにそのサイクルが進んでいますが、改めて思い返してみると特別なことなのだと感じさせられます。
高価なイメージのコントラファゴットですが低価格のメーカーもあり、個人所有は決して不可能ではありません。コントラファゴットによりファゴットの意識も向上し、音楽の幅が大きく広がりました。重宝されるこの2つの楽器を持っていると「最強」です。他の楽器ではできないであろう充実した活動ができます。
以上のように「コントラファゴット個人所有」も1つの選択肢です。充実した未来が待っていますので、ぜひ検討してみて下さい。
・オルガンとコントラファゴット
↓コントラファゴットでの充実した活動ぶりをご覧ください。
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