コントラファゴット - Kontrafagott(Contrabassoon)
音楽活動でファゴットと共によく使用しているコントラファゴットについて書きます。
最終更新日:2025/02/02

コントラファゴットとは?
コントラファゴットはファゴットより大きくてオクターヴ低いC管の木管楽器です。主に管弦楽や大編成の吹奏楽で使用され、木管楽器の中で最も低い音域を担当する大型の楽器です。
※コントラファゴット(Kontrafagott)という名称はドイツ語で、英語ではコントラバスーン(Contrabassoon)といいます。
管の長さは約6m近くもありますが、管を4回折り返している構造のためファゴットと同じぐらいの背の高さになっています。楽器が重いためバスクラリネット同様にエンドピンを地面に立てます。

コントラバスに相当する音域でパイプオルガンの低音のように深くて豊かな響きを持ち、オーケストラ全体を大きく支えます。コントラバスを補強したり木管セクションの最低音域を担ったり、テューバのオクターヴ下で金管セクションを支える場合もあります。
管弦楽ではバッハやヘンデルにも作例がありますが、交響曲ではベートーヴェンの交響曲第5(「運命」)の第4楽章で初めて使用されました。編成が大きくなった近現代の曲では頻繁に指定され、ストラヴィンスキーの「春の祭典」のように2本使用する例もあります。

吹奏楽では大編成の曲で指定される場合がありますが多くはオプション扱いです。同じ音域のコントラバスクラリネットと共に、編成を拡張してサウンドをより充実させる任意使用の特殊楽器という位置付けになっています。

構造はファゴットでは指孔だった部分は全てキーになっており、運指は基本形は同じですが細部に違いがあり、特に高音域は違いが大きいです。リードはファゴットのものより一回り大きい専用のものを使用します。
価格は多くのメーカーで300万円~600万円台と非常に高価ですが、近年はアマティやタケダバスーン等が費用対効果の高い楽器を製造し、団体や個人への普及が進みました(但し2022年現在円安や物価高騰で大幅に値上がり中)。
とはいえ依然絶対数が少ない特殊楽器の代表格で、使用の度に借りている団体も多いと思います。私も個人で所有していますが、賛助依頼・楽器のレンタル依頼も多いです。
※レンタルは知人を基本としていますが、どうしても必要な状況でしたらご相談に乗りますのでご連絡ください(都内在住です)。過去にはプロ奏者へのレンタルや、アマチュアの演奏会当日に楽団の楽器が壊れて急きょ貸した例もあります。 →お問い合わせフォーム
コントラファゴットの音が聴ける動画
YouTubeに演奏動画が沢山があります。低い音で聞き取りづらいため基本的にイヤホンを推奨します。
■What does a contrabassoon sound like? (Scale)(Utah Symphony & Utah Opera (USUO))
コントラファゴットの主なメーカー
アマティ(Amati)、アドラー(O.Adler)、ヴォルフ(Wolf)※コントラフォルテという改良型も有、シュライバー(W.Schreiber)、タケダバスーン(TAKEDA BASSOON)、ピュヒナー(Puchner)、ヘッケル(Heckel)、フォックス(FOX)、メーニッヒ(Monnig)、モースマン(Moosmann)、モーレンハウエル(Mollenhauer)