バソン - Basson(French Bassoon)
フランス式のファゴットであるバソンについて書きます。
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バソンとは?
ファゴット(=バスーン)にはドイツ式(ヘッケル式)とフランス式(ビュッフェ式)があり、今日一般的なのはヘッケル式です。「バソン」という言葉はファゴットのフランス語そのものですが、日本ではフランス式の楽器を指すために呼ばれる傾向にあります。
ファゴットは音量の増大や機敏性など現代オーケストラに適合するために改良されました。一方バソンはそれを最低限に留め、より原始的な機構で管が細くて音量も小さいです。調和と重厚さを重視するファゴットに比べてソリスティックで明るい音色が特長で、ラヴェル等フランスの作曲家もバソンの音を想定していたはずです。
かつてはバソンも広く使われていましたが、1969年にカラヤンがパリ管弦楽団の音楽監督に就任したのをきっかけに世界的にファゴットが主流になっていきました。現在では本国フランスでもファゴット化が進み、一部の愛好家が演奏するのみとなっています。
材質はローズウッド系でクラリネットやオーボエのグラナディラに近く、ファゴットのメイプル(カエデ)と比べて硬くて重い木です。リードもファゴットとは寸法や削り方の異なる専用のものを使います。主なメーカーはビュッフェ・クランポンとデュカス(H.セルマーの技術者が独立)です。
所有楽器の機種
メーカー:Buffet Crampon(ビュッフェ・クランポン)
製造番号:4000番台
仕様:右手親指Fキー付き
購入時期:2018年7月
購入経緯
2017年1月にビュッフェ・クランポンとデュカスを試奏(その時の記事はこちら)して以来バソンのことが気になって漠然と探していました。そのことを発信していたこともあり、縁がありバソンを買い替える人から連絡があり、買い取るに至りました。
1960年代の古い楽器ですがそれを感じさせないぐらい状態が良くきれいです。価格が高い新しい楽器の方が吹きやすく改善されていますが、まずは古き良きバソンの本質を経験してからステップアップするのが良いかと思っています。
楽器の詳細
ケース内のバソン。ファゴットとはまた違った造形美を感じさせます。
テナージョイントは直線的で、ファゴットとは違い小指キー(ウィスパーキーとC#キー)が伸びています。
ダブルジョイントは細長く、こちら側はほぼ同じ印象ですがハンドレストがありません(そのためか手の角度が異なります)。
ダブルジョイントの親指側。LowEが指孔になる等シンプルな外見です。F#キーはFキーとは非連動、その横は替え指のFキーです。
ロングジョイントは短く、LowEb,Dbキーが親指側に移動しています。つまりEb以下は親指のみで操作します。
左手親指キー群はファゴットとは異なる形状です。
独特の美しい形状のベル。LowBbキーは通常閉じています。
ベルのロゴとLowDキーのキーガードがカッコいいです。
2022年現在、バソンの使用頻度は低い状態です。もし興味を持たれた方がいましたらタイミングによってはレンタルできるかもしれませんのでご連絡下さい。 →お問い合わせフォーム