バソン - Basson(French Bassoon) 
フランス式のファゴットであるバソンについて書きます。
最終更新日:2025/01/23

バソンとファゴットの比較
バソンとは?
ファゴット(=バスーン)にはドイツ式(ヘッケル式)とフランス式(ビュッフェ式)があり、今日一般的なのはヘッケル式です。「バソン」という言葉はファゴットのフランス語そのものですが、日本ではフランス式の楽器を指すために呼ばれる傾向にあります。
ファゴットは音量の増大や機敏性など現代オーケストラに適合するために改良されました。一方バソンはそれを最低限に留め、より原始的な機構で管が細くて音量も小さいです。調和と重厚さを重視するファゴットに比べてソリスティックで明るい音色が特長で、ラヴェル等フランスの作曲家もバソンの音を想定していたはずです。

バソンとファゴットの比較
かつてはバソンも広く使われていましたが、1969年にカラヤンがパリ管弦楽団の音楽監督に就任したのをきっかけに世界的にファゴットが主流になっていきました。現在では本国フランスでもファゴット化が進み、一部の愛好家が演奏するのみとなっています。
材質はローズウッド系でクラリネットやオーボエのグラナディラに近く、ファゴットのメイプル(カエデ)と比べて硬くて重い木です。リードもファゴットとは寸法や削り方の異なる専用のものを使います。
バソンの音が聴ける動画
ファゴットとバソンの音を比較した動画です。
バソンの主なメーカー
ビュッフェ・クランポン(Buffet Crampon)、デュカス(Ducasse)、セルマー(H.Selmer)