経験からファゴットとコントラファゴットの快適なダブルケース案を考える
ファゴットとコントラファゴットを持ち歩いている経験から、快適なダブルケースの案について考えました。
現在の装備
私はファゴットとコントラファゴットを所有して管弦楽、吹奏楽などの活動に参加しています。その際にはなるべく軽量な装備となるように以下の組み合わせで持ち運んでいます。
- ファゴットのケースはJDRライトケース(1.5kg)
- ファゴットのスタンドはリーズンスタッフ(800g)
- コントラファゴットのケースはアルティエリのギグバッグ(1.8kg)
- コントラファゴットのスタンドはFOX(1.9kg)
写真で見るとこの程度の荷物になります。
・ファゴット&コントラファゴットと両方のスタンド
国内で手に入る一般的な製品としては最軽量クラスの装備の組み合わせです。これにより巨大なコントラファゴットも楽に持ち運びができ、さらにファゴットと一緒に持って行く時もそれほど大きな苦痛にはなっていません。
コントラファゴットのギグバッグはソフトケースであるため細心の注意が必要です。楽器に負担がかからない持ち方や置き方をする、満員電車など人が混雑する場所は避ける等。普段はハードケースに入れて持ち運ぶ時にギグバッグに移すのは手間になっています。
ファゴットのJDRライトケースは発泡スチロールでできたセミハードケースです。ハードケースより衝撃に弱いですが、丁寧に扱っている限りは強度に不安はなく、問題になったことはありません。とても軽くて便利です。
スタンドは両方共コンパクト軽量であるため、人がぶつかったりすると堅牢なタイプと比べると楽器が倒れる危険性がなくはないので注意を払っています。そして今まで問題になった事はありません。
これらの装備により、需要が高い楽器ということもありとても活発に演奏活動ができています。音楽で豊かに生きている人間として欠かせないものとなっています。
軽量の組み合わせで助かっていますが、できれば改善したいと思っている事はケースの強度をアップする事、スタンドを別のバッグに入れないといけない事、楽器の出し入れの手間です。
現在の理想形、ワイズマン製品
イギリスのワイズマンというメーカーがファゴット&コントラファゴットのダブルケースを製造しています。カーボンファイバー製の軽量のハードケースです。
【外部リンク】Wiseman London | Carbon Fibre Contrabassoon Case
※HPに"9.5kg/4.5 lbs"と書かれていますが、おそらく"4.5kg/9.5 lbs"の間違いではないかと思います。9kg以上だと通常のハードケースと同等の重さになってしまいます。
コントラファゴット全体をそのまま収納するという大きなケースはとてもインパクトがあります。この大きさならファゴットぐらいならその余剰スペースに分散して収納できるという形でダブルケースとなっています。ホイール付きで地面に転がして移動もできます。
重さは4.5kg、これはファゴットのハードケース並みでとても軽いです。現在の2つのケースの合計は1.5kg+1.8kg=3.3kgであり、1.2kg重くなるだけでそれほど違いはありません。それがハードケースとなるとメリットの方が大きいです。
ですので私の行動パターンにマッチする大変注目している製品です。いつかは購入したいと思っていますが、購入した人の情報から30万円以上したとの情報があり(不確かですが)、価格の高さが一番のハードルです。
そして以前は無かったのですが、両方の楽器のカーボンファイバー製の軽量スタンドがラインナップに加わっていました。
ファゴット用スタンド(400g)
【外部リンク】Wiseman London | Bassoon stand in carbon fibre
コントラファゴット用スタンド(750g)
【外部リンク】Wiseman London | Contra bassoon stand in carbon fibre
いずれもそれまでの常識を打ち破る、大変驚異的な軽さです。これらを使えば前述のスタンド装備からさらに1.5kgも軽量化が可能です。
つまりケースが1.2kg重くなりスタンドが1.5kg軽くなる、全装備がトータルで300g軽くなり強度もハードケースになる!ワイズマン製品の使用はとても夢のある話です。
より快適さを求めて考えた案
前述のワイズマンのケースは理想的な製品です。しかし実際に持ち運ぶパターンとしては
- ファゴットとファゴット用スタンド
- コントラファゴットとコントラファゴット用スタンド
- ファゴットとファゴット用スタンドとコントラファゴットとコントラファゴット用スタンド
この3パターンになります。したがってさらに快適さを求めると以下の課題があります。
- ファゴットだけを持って行く場合は大きなケースを開き、ケースの入れ替えをする手間が発生する
- コントラファゴットだけを持って行く場合は重さを軽減するにはファゴットを出す手間が発生する
- 両方の楽器のスタンドは別の荷物としてバッグに入れて持つ必要がある
特に日本の狭い住宅事情を考えると、ケースの入れ替えのために大きな重いケースを移動したり開いたりするのは負担になります(現にコントラファゴットのケースを毎回移すのは負担になっています)。
それらをどうしたら解決できるかを考え、アイデアを簡単なイラストで描きました(見づらいですが)。
ポイントとしては、
- ファゴットとコントラファゴットのケースを分離する
- 両方のケースにリュックを付けて完全に独立して持ち運べるようにする
- スタンドをそれぞれの楽器のケース内に収納できるようにする
- ワイズマン製品同様にカーボンファイバー製で軽量化する(既存製品から2kg+4.5kg)
- それぞれに収納ポケットを設け、それぞれに必要な楽譜、リードケース等を分けて収納する
これなら使用する楽器のケースだけをそのまま持って行けば良いことになります。楽器ケースを入れ替える、スタンドを別に持つという手間が省けます。ちょっとしたことですが実感としてこの差は大きいです。
両方必要な場合はケースを一体化させることで必要な手の数が減ります。重量が気になりますが、前述のトータル重量+2kg(ファゴットケース分)です。若干重くはなりますが…。
リュックベルト付きなので手持ち、ショルダーベルトよりも重量を分散できます。それでも重くて辛い場合は分離してファゴットを背負いコントラファゴットをホイールで引く方法もあります。
※描き忘れましたが、それぞれに登山リュックのドリンクホルダーのような構造を設けて譜面台を入れられるとベターです。
この構造なら私の行動パターンにベストマッチする最高の製品だと思います。両方持つ場合に体力は少し必要になりますがファゴット、コントラファゴット共に気軽に持ち運びでき、心理的にも活動のハードルが下がります。
終わりに
ファゴットとコントラファゴットを持ち歩いている経験を元に、快適なダブルケースの案を考えてみました。特注すれば製造してくれるとは思いますが、当然価格は高くなるので厳しいのが現実ではあります。
ただコントラファゴットは従来車での移動が基本でだったものが手持ちが可能になったように、取り巻く装備はどんどん快適になっています。スタンドの軽量化も驚異的です。
その流れでこのような製品が造られたらと夢を語りながら、これからもファゴットとコントラファゴットで活発に活動していきます。
・普門館でのファゴット&コントラファゴット