【演奏荷物改善】(1) 必需品の選別と小型軽量化、楽器ケース収納を活用
腰痛をきっかけとして最近私が行っている「演奏荷物の軽量化・省力化」について、ブログを連載的に書いていきます。
はじめに
最近腰痛をきっかけに演奏荷物の軽量化や扱いやすさの合理化(省力化)を行っています。その一連の流れを連載的に紹介していこうと思います。
持ち運ぶ楽器はファゴットとコントラファゴットで一方のパターンと両方のパターンがあります。最近ではコントラファゴット単体を使うケースが多く、重量級の楽器でより切実であるため、それを中心に書いていきます。
断念や保留した事も含めて試行錯誤の様子を書いているのでくどい面もあるかもしれませんが、軽量化・省力化の考え方や実際に検討したり使用した製品など、部分的にでも何かヒントになれば幸いです。
【前提となる装備】
- ファゴットはモーレンハウエルST、JDRライトケース(1.5kg)、リーズンスタッフ製のスタンド(0.8kg)
- コントラファゴットはアマティ、アルティエリのギグバッグ(1.8kg)、FOX製のスタンド(旧仕様のパイプタイプ、1.9kg)
- 譜面台、スタンドなどは普段使いのトートバッグに入れている
※この時点でもできるだけ軽量な組み合わせです。
・荷物全体像
基本荷物の改善
バッグの変更
まずは「基本荷物の改善」を行いました。ここでは財布、スマホなどの必需品を意図しています。
私は普段からトートバッグ(A4サイズが入り厚みがある)を使い、演奏活動以外も含めて様々な用途で「共通で」利用していました。重さを量ったら402gでそれほど重くはないですが、中身も含めてまずは軽量化のために総合的に見直すことにしました。
・トートバッグ(写真一番下)
まずは代替のバッグを探しました。色々探した結果、サコッシュという薄くて軽くて小型のバッグが良さそうだと思い、サイズ感と軽さから下記リンクの商品(24cm×21cm、60g)を購入しました。面積はB5サイズより少し小さくてマチ(厚み)は0です。
デイリーサコッシュ(2個セット) 1個当たり約450円 ※単品もあり
https://item.rakuten.co.jp/rankup1709/2701471-030120-2/
※素材のにおいが強かったのでしばらく消臭スプレーと陰干ししました。こういう安価な製品は大概中国製で同様の傾向があります。軽い事がメリットです。
・使うサコッシュ(左) ※右はセリアのサコッシュでインナーで使用
※また無印良品にもほぼ同サイズの製品があることを確認しています。
容量は減りますが、ひとまずこれに置き換えることで342g(0.342kg)の軽量化ができました。微々たるものに感じるかもしれませんが…、これは始まりにすぎません。
選別・小型軽量化
サコッシュに財布やスマホなどの必需品を選別して入れていきました。必需品は人によって異なると思いますが、私の場合は以下が該当します。
財布、スマホ、パスケース、鍵、ペットボトル、タオル、薬、歯ブラシセット、モバイルバッテリー、その他小物
元の状態からサコッシュに収めるには、それぞれが大きすぎる問題がありました。そこでそれぞれ小型で軽量のものに置き換える検討をしました。
【財布】立体的な長財布から、折り畳める無印良品の「トラベル用ウォレット」に代えました。実はこれが一番容量と重さの改善に役立ったと思っています。
【薬】100均のプラケースに入れてましたが、さらにスリムでコンパクトなものを探して置き換えました。
【歯ブラシセット】こちらもプラスチックで硬い材質のものでしたが立体感が邪魔だったので、フラットで柔らかいケースに代えました。
【モバイルバッテリー】20000mAh(フル充電5回分ぐらい)のものを常備していましたが、実際に使用した事がほぼ無かったため、4000mAh(1回分)の薄くて軽いものに置き換えました。
【タオル】汗をかきやすい体質のため常に複数のタオルを持っていましたが、タオルは1枚当たり約40gで複数だと意外と重くなるしかさばっていました。これを抗菌防臭のハンドタオル1枚に置き換えました。
・一例:小型のモバイルバッテリー
これでそれぞれがコンパクトになったことで前述のサコッシュに収まりました。同時に軽量化も実現しています。
問題はペットボトルです。良く使うのは500mlのペットボトルですが断面積が大きくてうまく入りません。(なお、私はいつも水道水を入れて持っています。)
平たいボトルも検討しましたが、結論として一回り小さい300mlのペットボトルを使う事にしました。コンビニで探したら綾鷹のものがあり、スリムなのでサコッシュにも入りやすいです。
また別途ドリンクを追加購入する時のために、100均のボトルホルダー(カラビナでサコッシュ紐に付ける)も使う事にしました。
・サコッシュに基本荷物を入れた
※加えて必要な日に折り畳み傘(約200g)も入れます。
これでなんとか全ての必需品がサコッシュに収まりました。基本荷物の見直しだけでも約1kgの軽量化に成功しました。
所感
こうして基本荷物の小型化、軽量化が完了しました。
それ以外の荷物はトートバッグに漫然と入っていましたが、実際は無くても困らないということに気付きました。特にバッグ内の仕切り(約200g)、ポーチとほぼ使用しない中身(200g)は比較的体積の占有と重さの面で無駄だったと感じました。
「トートバッグに入れる」という固定観念に固執していたのが、小さくて軽いサコッシュに収まったことは驚きでしたし、すっきりしました。これは一例ではありますが、意外と改善の余地があるものです。
サコッシュを使うメリットとして軽量化以外にも、軽いので常に肩に掛けておくのでスマホなどが脇元からすぐに取り出しやすいこと、手に持つ荷物の数が減ることもあります(トートバッグは中身が重いので都度置いたり描けたりしていた)。
演奏荷物の移動
振り分け対象
基本荷物に加えて演奏荷物も元のトートバッグに入れていたのですが、サコッシュの方が小さいためにそれらが入らなくなります。具体的には以下です。
- 譜面、スコア本(最大A4サイズ)
- 譜面台(ケース入り)
- 楽器のスタンド(FgやKFg)
- 水入れ、工具類
※KFg=コントラファゴット(ドイツ語から)
どこに入れるか考えた結果、楽器ケースポケットを使えないかと思い立ちました。そこに収納力があったのに活用していなかったことに気付かされました。
・ファゴットとコントラファゴットのケース、それぞれにポケット収納がある
また補助的に100均で見つけたナップサック(40g)が軽くて使えそうだと考えました。特にファゴットのケースポケットに厚みがある物が入らないことも理由です。
振り分け結果
楽器別の振り分け方は以下のようになりました。
◆ファゴット
【譜面、スコア本】楽器ケースポケットに入る
【譜面台とケース】ナップサックに入れる
【楽器のスタンド】ナップサックに入れる
【水入れ、工具類】ナップサックに入れる
・ファゴット荷物イメージ
◆コントラファゴット
【譜面、スコア本】楽器ケースポケットに入れる
【譜面台とケース】楽器ケースの持ち手に吊り下げる
【楽器のスタンド】ナップサック?要検討・保留(※1)
【水入れ、工具類】楽器ケースポケットに入れる
・コントラファゴット荷物イメージ
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、このように振り分けることで(※1)を除いて解決することができました。工具類も整理して使わないものは出して軽量化しています。
所感
基本荷物を小型化しても、そこから溢れた演奏荷物もなんとか収まって良かったです。
演奏荷物はナップサックと工具類で±0gとみなし、前述同様に荷物の総重量としても元の状態より約1kg軽くなっています。
ここではひとまず荷物の転換ができたという事までで、それぞれのパターンの使用感については今後のブログで細かく書いていく予定です。
(※1)コントラファゴットのスタンドだけは後に尾を引く大きな課題となるので、今後も試行錯誤の様子を多めに連載していきます。
おわりに
「基本荷物」を選別して入れ物と共に小型軽量化し、「演奏荷物」は楽器ケースポケットや軽いナップサックを活用することで約1kgの軽量化に成功しました。
漫然と他の用途と共通の物も入った大き目のトートバッグを使うことに固執していたし、既にある収納力を活用していなかったということが発見でした。
このように必要に迫られて新たな視点を得ることができました。腰を痛めている時に1kgは結構な負担減になると思いますし、活発な演奏活動の助けになると良いなと思います。
・ステージ上イメージ
(第1弾・終)
★この先は実際に持ち運んだ所感や、前述(※1)のコントラファゴットのスタンドの問題や、さらに軽量化・省力化を検討した事(ボツ案も含み)について連載していきます。
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