【独自考察】コントラファゴットのEbキー機構改善案について考える

2023/04/27 18:09    楽器探究

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コントラファゴットのミドルEbの運指がファゴットとは異なるのは吹いたことがある方はご存じと思います。

ファゴットと異なりクロスフィンガリングが使えないためか、ファゴットの「D-Ebトリルキー」に相当するキーがその役割を担っています。

・左手キー群

ただこのキーは薬指をずらすことから周辺の音に移動しにくい問題があります。具体的にはC#より低い音や第2オクターヴ以上の音域との移行がしづらく、特に速い反復音は厳しいです。

その対策として近年の楽器では右手親指のBbキーの上や、右手の人差し指キーの上に替え指キーが付いているケースが多いです。

とはいえいずれもどれかの指が標準のポジションがずれることから、周辺の音との移動に手間がかかる問題は依然残っており、最も厄介な音ではないでしょうか。

そこでEb運指が楽になる方法が無いかと考えました。

もし良く使うキーがEbキーの効果を兼ねていたらどうか？

ファゴット属には基本的にそういうキー機構はないと思いますが、オーボエの右手人差し指のような標準ポジションで複数の音で使えるキーがあったら便利です。

そこで思いついたのが、

BbキーにEbキーの効果を兼ねさせるというアイデアです。

つまりD運指にBbキーを押すと連動してEbキーが開いてEbになる、というイメージです。これなら多くの音がEbとの行き来がしやすくなるのではと思います。

・右手親指キー群

特にEbとBbは近い関係の音でその移動は比較的多いと思いますが、Bbキーを押しっぱなしで良いので指の移動が減り、替え指でもしづらい速い反復もできるようになります。

ファゴットもEbの時に右手のBbキーを押していることもあり、その効果は違うものの少し近い雰囲気にもなります。

どのように実現するか？

サクソフォーンのテーブルキーの機構が参考になると思います。

サクソフォーンには、例えば小指ド♯のキーを押しても右手の人差し指から薬指までを離していると「ソ♯として機能する」という機構があります。１つのキーが２つの効果を持っています。

これをコントラファゴットに応用すると、

（D運指など）左手薬指キーを離した状態でBbキーを押すとEbキーが（も）開く、という構造が考えられます。Bbキーを押すとEbキーも開こうとしつつ、左手薬指キーの開閉と連動するイメージです。

・連動イメージ

この機構が出来れば、

• Dの運指にBbキーを足すとEbになる
• Bbの運指に左手薬指（と右手人差し指・中指）を離すとEbになる

というようなイメージになります。

これで周辺の音に多少は移行しやすくなるのではないでしょうか。オクターヴ上でも使えるはずです。

さらに発展させると、左手親指のLowE,F#(,G#)にも適用できそうです。例えばD運指＋F#でEbが出たらF#との移行が楽だし、LowE以下からEbへの上昇も楽になります。これでかなり自由度が増します。

ただし機構が変わることによる影響も考えられます。

１．音程や音質への影響はどうか？

私の楽器で実際にEbの音を出しながらBbキーを押したところ、多少倍音が変化するだけで音程も変わらず、特に違和感はありませんでした。Bbの時の右手の２指を足しても同様でした。

※一応LowE,F#,Ab(G#)も試しましたが同様です。

・左手親指キー群

２．他の運指への影響はどうか？

• 高音域の運指に影響するかもしれない
• 独自の替え指に影響するかもしれない

私はBbキーを押して左手薬指を離す運指は（めったに使わない）高音域のBとCでしか使っていませんが、結果的にいずれもEbキーも押しているので影響はないのかなと思います。

ただ楽器個体や奏者によっては影響が出てくるかもしれません。

そして機構がファゴットと離れていく事自体も良いのかは考えものです。それならばファゴット同様に左手リングキー相当を付けて、D運指にC#キーを押してEbになる機構の方が良いかもしれません（これもなぜ無いのか不思議なので考察したい）。

コントラファゴットのEb機構改善案について書いてみました。

コントラファゴットも現代音楽ではどんどん複雑で機敏な動きが求められるはずで、そういう可能性を広げる意味でも１つの案として記しておきます。

※思い付きレベルで不完全な所もあるかもしれません（こういうのを考えるのが好きな人間です）。

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