【演奏荷物改善】(8) コントラファゴット・スタンド有(キャリーカート使用)で練習の所感
腰痛をきっかけとした演奏荷物の改善、コントラファゴットのスタンドの快適な運搬方法を検証します。今回はキャリーカートを使ったスタンドの運搬例です。
はじめに
前回の記事でコントラファゴットのスタンド運搬用に、それまでのナップサックの代わりにキャリーカートを購入し、試行錯誤してセッティングが完了しました。
【前回の記事】
今回はその装備を実際に使用して練習や本番に行った所感についてまとめます。
※この時に少し出た改善点については前回の記事にもフィードバック済みです。
装備の前提
※ここではコントラファゴットを"KFg"(ドイツ語)と略記します。
荷物の装備全体としては、
- サコッシュ(基本荷物)
- コントラファゴットのギグバッグ
- キャリーカート(スタンド、譜面台載せ)
KFgスタンドはFOX製の旧タイプで1.9kgのコンパクト軽量なモデルですが、細長くて曲がったパイプの組み合わせある関係で体裁が悪いと感じていました。
軽量のナップサックでに入れるのも悪くないですが、さらに腰への負担軽減を目指してキャリーカートを使います。
キャリーカートは800gの軽量の製品を使い、100均のボックスを置いてスタンドを載せ、譜面台も他に収納場所がないことやカート内の隙間埋め・固定の為の加重のために載せて、セッティングが完了しています。
・セッティングしたキャリーカート
・コントラファゴットとサコッシュ
この装備が腰痛対策として有効かどうか、実際に使用した所感について書いていきます。
持参した所感
行き
キャリーカートを使う事自体は初めてですが、軽いし移動が楽だと感じました。階段などでたまに持ち上げる事もありますが、軽いのでそれほど苦ではないです。
・キャリーカート使用イメージ(楽器ケースは上から手で支えてます、以下同様)
この軽量キャリーカートを実際に使ってみて支柱部分がひねりに弱いと分かったので、それは注意しながら使う必要がありますが、慣れだと思います。
コンビニ内に入るのは通路が狭いのでどうかと思っていましたが、意外と問題ありませんでした。カートに付けた(小物入れの)フロントバッグは容量が少し小さかったですが、腰を屈めず出し入れできるしやはり便利で正解でした。
キャリーカートをうっかり逆に進んだりエスカレーターでの扱いで崩壊してしまいました。これは前回の記事の追記部分で、固定ベルトを追加してがっちり固定したことで解決済みです。
階移動はエスカレーターは問題ないですが、エレベーターはカートをひねって歪ませることになるのでちょっと乗りにくいと感じましたが、次第に慣れてコツつかみをした。
舗装がデコボコの道は結構ガタガタと揺れますね。カート装備の軽さの弊害が意外にも出ていますが、特に問題は起きていません。体感が軽いでのもう少し何かを入れて加重しても良いぐらいです。
立ち止まった時や電車内ではコントラファゴットのギグバッグを支えるだけで良いので、より手がフリーになりました。カートを置いておけるこの気楽さは良いですね!置いておく時は「重さがゼロ」です。
・楽器ケース以外は手がフリーになる
ナップサック同様に腰を一切降ろさなくて済むこともメリットでポイントが高いですが、置いて置けることでさらに身体・腰にかかる負担が減っています。
またトートバッグやナップサックを肩に掛けた時に飛び出していたような、身体の周りのぶつかりを気にしなくても良くなりました。もちろんカートの占有部分はありますが。
楽器のギグバッグを降ろりたり背負ったりする時も、キャリーカートが独立して置いておけるので干渉せずに楽です。多少混んでいても周りを気にせず平気で扱いやすかったです。
・電車内に置いたイメージ
練習時
【練習の準備の時】
スタンドはボックスから取り出しやすくなって楽になりました。スタンド底のネジ飛び出しのために脱着していた補強段ボールも無くなったし、そのまま上にすっと取り出すだけで良くなったので楽です。
以前細長い袋に入れていた支えパーツもそのままボックスから取り出せばよくなりました。こういう細かい作業が減った事も心理的に楽になり大事な改善です。
ナップサックだと自立しない形状のため置く場所の問題や、中身がぐちゃぐちゃになる問題などがありましたが、キャリーカートでは荷物は整然さを保っています。譜面台もギグバッグに吊り下げるよりも扱いやすくなりました。
荷物がひとまとまりになるメリットも感じました。各種取り出すと中身は譜面台ケースと小箱だけの状態になり、カート自体軽くて移動もしやすいです。
・荷物がひとまとまり、スタンドは簡単に出せる
【片付けの時】
スタンドや譜面台をボックスに入れる時はしゃがまないといけないので、これだけは仕方ないですね。一度に一気に収納することにしましょう。
ボックスに置く時は、スタンドのパーツをそれぞれ載せるだけになり扱いやすく楽になりました。補強段ボールも付けないし、支えパーツを袋に入れないし、小箱を埋めればスタンドが自立します。
譜面台も最後に載せるだけだし、ギグバッグに付けるより扱いやすいです。
帰り
行き同様ですが帰りに気付いたことをここに追記します。
※ボックスの歪み防止のための厚みのあるテープが外れている事に気付いたので、これは後でそのまま辞めることにしました。(前回の記事に反映済み)
演奏活動(移動、座る、準備・片付け)は腰にある程度負担がかかるため、帰りの方が体・腰が疲れている状態になります。
そんな状態では、キャリーカートだと電車内で肩にも掛けず腰を屈まずに置いて置けるし、なおさら身体への負担が少ないことを実感しました。
この時もギグバッグを背負う時に少し痛みがある状態だったという意味でも、なるべく身体への荷重を減らす方向性は正しかったと言えます。
・帰りこそ効果を感じる
帰宅してからもカートをそのまま置いておけばよいので片付けが楽になりました。トートバッグの時は演奏系荷物だけ取り出していましたがその手間がなくなりました。
別の日には支柱を縮めて(セッティング調整した都合上、下の1段階は縮められない)車の後ろに積んで載せましたが、特に崩壊することはなく問題ありませんでした。車の場合でも出し入れの時の移動の負担軽減と、ひとまとまりで扱いやすくなりました。
所感
専用にセッティングしたキャリーカートを実際に使用してみて、総合的にこのキャリーカート方式は有効であると分かりました。
トートバッグ、ナップサックの時と比べて腰への負担が少なくなったと感じたし、さらに扱いやすくなり快適になりました。特に置いた時に「重さゼロ」、これが大きいです。
階移動はエレベーターが基本にはなりますが、元々大荷物のためになるべくエレベーターを利用していたので移動順路に大きな変化はありません。エスカレーターも徐々に慣れてきました。
・有効だったキャリーカート
全体的に、大きくて重たい荷物で複数のバッグも持つため、全てを身体で支えるのではなく少しでもキャリーカートに分散した方が、重さの分散と扱いやすさの改善になると分かりました。
おわりに
専用にセッティングしたキャリーカートを実際に使ってみて、腰痛対策に有効であることが確認できました。試行錯誤して1つ1つ細かく突き詰めて良い結果にたどり着けて良かったです。
腰痛は厄介なもので何か月もかかる場合もあり、重たい楽器には致命的です。このように工夫することでこれからもコントラファゴット(+ファゴット)で活発に活動していきたいです。
・スタンドに置いたコントラファゴット
(第8弾・終)
基本荷物改善から始めて8回目となったこの連載は今回で一旦終了です。ただ今後も動きがあれば追加するかもしれません。
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