【櫻坂46】1stシングル「Nobody's fault」とカップリング曲まとめ
欅坂46から改名してリスタートを切った櫻坂46。その1stシングルが12/9に発売されます。表題曲「Nobody's fault」とその他の収録曲について、その内容と個人的感想をまとめます。
・SHIBUYA TSUTAYAパネル展示より
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Nobody's fault
【種別・収録】表題曲、全Typeに収録
【センター】森田ひかる
【歌唱メンバー】小池美波、小林由依、菅井友香、渡邉理佐、田村保乃、藤吉夏鈴、森田ひかる、山﨑天(以上櫻エイト)、尾関梨香、土生瑞穂、守屋茜、大園玲、武元唯衣、松田里奈
■櫻坂46 『Nobody's fault』(櫻坂46公式)
https://www.youtube.com/watch?v=fagRTasDcKo
初披露はまだ気持ちの整理がつかない"THE LAST LIVE"の最後でした。センターは2期生の森田ひかるで14人の選抜制となり、それまでの欅坂46とは異なる新たな姿を現しました。
"Nobody's fault"(ノーバディーズフォルト)の意味は「誰のせいでもない」。思い起こされるのは「黒い羊」の「全部僕のせいだ」。ラストライブで背負い人の「僕」を開放し、新たなスタートを切ることと関係があるかもしれません。
曲を聴くと口調はちょっと独特なものの、欅坂46同様に力強いメッセージ性を持つ歌詞です。欅坂46が大事にしてきた楽曲のメッセージ性を伝えるという本質は受け継いでいると感じました。
歌詞の内容は「ガラスを割れ!」に近いと思いました。曲はしっかり踏みしめて歩くようなテンポ、新しいグループで信念と決意を持って歩んで行くんだということが感じられます。
MVは「自由への渇望と絆」をテーマに掲げています。撮影場所は新潟県の佐渡島。海や山があり自然豊かで、夕陽のシーンも美しいです。パフォーマンスは意志のある力強さを感じられるカッコいいものです。船の上でのダンスは新たな船出を表しているのだろうか。
センターの森田ひかるは低身長ながらダイナミックなダンスに定評があります。過去のライブでもセンター経験があり、強い目力も印象的です。表現力があり小柄ながら存在感を感じさせます。
最後に桜吹雪の中を仲間たちと山に向かって駆け上がっていくシーンはまさにグループが前進する比喩「坂を上る」。「(メンバー名の羅列)are 櫻坂46」の流れは映画のようで、スタートを切るに印象的な場面です。
改名して新しいグループのカラーを方向付ける重要な曲となります。欅坂46の本質は受け継ぎつつ、停滞を破って新たに前に進んで行くんだという気概が感じられるものでした。
そして話題になっていますが、メンバーの後ろのドラムは何なのでしょう?そして作曲者のデレク・ターナーとは誰なのでしょう?
※櫻坂46がTV初登場した「ベストアーティスト2020」ではキレが増し統一感が強まり、パフォーマンスがパワーアップしました。今後も披露を重ねてさらに洗練されていくでしょう。
なぜ 恋をして来なかったんだろう?
【種別・収録】カップリング曲、全Typeに収録
【センター】藤吉夏鈴
【歌唱メンバー】小池美波、小林由依、菅井友香、渡邉理佐、田村保乃、藤吉夏鈴、森田ひかる、山﨑天(以上櫻エイト)、原田葵、渡辺梨加、井上梨名、幸阪茉里乃、関有美子、増本綺良
■櫻坂46 『なぜ 恋をして来なかったんだろう?』(櫻坂46公式)
https://www.youtube.com/watch?v=S4gEJIyLHlM
鐘が鳴って始まるのは「誰鐘」の続きだろうか。疾走するような明るく爽快な曲調で、畳みかけるような速い歌詞。欅坂46にはなかったような歌詞とサウンドが新鮮です。
新しいと思ったのは主人公が女性目線であること。恋をした少女のウキウキした心情を歌っていて、背負い人の「僕」を主役とすることが多かった欅坂46の曲とは対照的です。
MVでは白黒の衣装が上品さのある可愛さです。螺旋階段を使い、糸を使ったパフォーマンスがあり、桜吹雪が舞う。映像はとても綺麗で、その疾走する心地さもありMVは何度も観てしまいます。
センターは2期生の藤吉夏鈴。今まで見せてこなかった躍動的な姿、自然な笑顔を見せ、その映えぶりに驚きました。笑顔の藤吉以外は大サビまではどこか無機質さもある雰囲気が欅坂46から受け継いだエッセンスを感じさせます。
表題曲センターの森田ひかるを目立たなくさせていることは、この曲の藤吉カラーを際立たせている要素でしょう。3列目メンバーがあまり目立っていないのは残念ではありますが。
欅坂46があまり触れてこなかったストレートな恋愛の歌。リスタートするグループの1つの新しいカラーのを示し、その躍動感と共に可能性を感じさせられる曲です。快活な曲で癖になるし、何度も聴きたくなりますね。
Buddies
【種別・収録】カップリング曲、Type-Dに収録
【センター】山﨑天
【歌唱メンバー】小池美波、小林由依、菅井友香、渡邉理佐、田村保乃、藤吉夏鈴、森田ひかる、山﨑天(以上櫻エイト)、上村莉菜、齋藤冬優花、遠藤光莉、大沼晶保、松平璃子、守屋麗奈
■櫻坂46 『Buddies』(櫻坂46公式)
https://www.youtube.com/watch?v=yT5S7Cy5cCE
曲を聞いた第一印象は、壮大な雰囲気で希望を感じられる曲だと思いました。気が引き締まるような清々しい明るさがあり、一人一人の声が聞けるのも良いですね。"Yo!"は印象的ですね。
"Buddies"(バディーズ)は「仲間」という意味です。新しいグループで改めて仲間を大切にして一緒に歩んで行こうという、スタートラインに立つにふさわしい曲です。
曲自体は繰返しが多くサウンドのバリエーションが少ない構成で単調ですが、MVを観てイメージが広がりました。
MVは新宿や渋谷などの都会的な開放的で雄大な景色、夕陽を浴びてスケール感を感じられました。とても爽快で感動的なものでした。停滞していた世の中やグループを開放するような快活さがあります。
歌同様に1人1人がよくピックアップされて(「なぜ恋」よりも3列目が目立つ)、笑顔もあり1人1人の自然なふるまい、仲間意識を感じさせるふるまいもあり和やかな雰囲気です。走っているシーンも多く、一緒に気持ちが上がっていきます。
ヒップホップ風のスタイリッシュなダンスは個人的にはSPEEDを思い起こさせました。それを率いるセンターは最年少で2期生の山﨑天。スタイルも良く中学生とは思えないしっかりしたオーラを持ち、可能性や希望を感じられます。
本当なら14人ではなく全体曲であってもいいぐらいですね。「W-KEYAKIZAKAの詩」「太陽は見上げる人を選ばない」のように。グループのリスタートにふさわしい1曲です。
↓ロケ地を巡ってまとめました。
Plastic regret
【種別・収録】カップリング曲、Type-Bに収録
【センター】藤吉夏鈴
【歌唱メンバー】小池美波、小林由依、菅井友香、渡邉理佐、田村保乃、藤吉夏鈴、森田ひかる、山﨑天(以上櫻エイト)、原田葵、渡辺梨加、井上梨名、幸阪茉里乃、関有美子、増本綺良
11/29の「こち星」で音源が初公開されました。サウンドはどこか懐かしい雰囲気で、80年代のシティポップ風という気がしました。サビで転調して雰囲気を変える感じが印象的です。
1人1人のソロの声が次々と切り替わって進行する部分が多く、それぞれの声を聞き分けやすいです。1人1人の歌唱力が求められますが安心して聴いていられます。小池の可愛い声は分かりやすく、小林の歌唱力はずば抜けている印象です。
歌詞を見ると強がっている女性の心情を表しているようです。サウンドの影響か主人公はアイドルに多いティーンというよりはもっと大人な印象を受けました。
タイトルの"Plastic regret"は直訳すると「プラスチックの後悔」。プラスチックは後半に出てくる「合成樹脂」のことでしょう、歌詞の何かの比喩と思われます(後で確認します)。
藤吉センター曲は「女性目線の恋愛」がテーマなのかな?と思わされます。テーマもサウンドも欅坂46になはなかったもので、再び新たな一面を見せました。
最終の地下鉄に乗って
【種別・収録】カップリング曲、Type-Cに収録
【センター】森田ひかる
【歌唱メンバー】小池美波、小林由依、菅井友香、渡邉理佐、田村保乃、藤吉夏鈴、森田ひかる、山﨑天(以上櫻エイト)、尾関梨香、土生瑞穂、守屋茜、大園玲、武元唯衣、松田里奈
12/1の「レコメン!」で音源が初解禁されました。アコギから始まるG-Majorの軽快なカントリー風サウンド、楽しく電車に揺られてる感じです。
歌は森田のソロから始まりました。どんな歌詞なのだろうと思って聴いていたら、特にサビ部分で「死ぬ」という言葉が出てきてびっくりしました。
明るい曲調に似つかわしくないダークな歌詞でした。これはまさに欅坂46の主人公である背負い人「僕」を思い起こさせます。ラストライブの黒い羊で救われた後の姿でしょうか。
欅坂46同様に葛藤に寄り添う曲。でもそんな歌詞を明るくあっけらかんと歌う様子はシビアな感じではなく、気楽にやっていこうという脱力さを感じさせます。
そんな中にも欅坂46同様の強いメッセージ性があり、心に響くものがあります。ギャップのある曲でなんだか癖になります。そう来たか~という感じで面白い曲です。
改名しても欅坂46カラーの片鱗を覗かせた曲。一体どんなパフォーマンスになるのか想像できなくて楽しみです。地下鉄とのコラボは無理でしょうね(笑)。
半信半疑
【種別・収録】カップリング曲、Type-Aに収録
【センター】山﨑天
【歌唱メンバー】小池美波、小林由依、菅井友香、渡邉理佐、田村保乃、藤吉夏鈴、森田ひかる、山﨑天(以上櫻エイト)、上村莉菜、齋藤冬優花、遠藤光莉、大沼晶保、松平璃子、守屋麗奈
12/6の「こち星」で解禁されました。第一印象は一昔前のバンドサウンドの懐かしい雰囲気、Plastic regret同様に80年代風のサウンドという気がしました。
イントロのエレキギターが印象的、ベースはゴリゴリ動き続けています。バックのサウンドの音色とか、ドラムが四分ベースのビートでサビ前等の決め所が四分なのも近年のセンスとは違う雰囲気です。
歌はセンターの山﨑天のソロで始まり受け継いでいきます。ロック風のクールなカッコよさがある雰囲気です。歌詞を聴くと恋愛系であることが分かります。
恋愛に躊躇するような内容で反抗的な要素はあるものの、やはりストレートに恋愛を歌うのは今までの欅坂46にはなかったものです。サウンド自体の古さと彼女らがこういう歌を歌うことは不思議な融合感があり、新鮮さを感じられます。
イントロやサビなどサウンドパターンの繰り返しが多くて単調さはあるものの、その分良く耳に残って癖になります。どのようなパフォーマンスになるのか楽しみです。
ブルームーンキス
【種別・収録】カップリング曲、通常版に収録
【センター】森田ひかる
【歌唱メンバー】小池美波、小林由依、菅井友香、渡邉理佐、田村保乃、藤吉夏鈴、森田ひかる、山﨑天(以上櫻エイト)、尾関梨香、土生瑞穂、守屋茜、大園玲、武元唯衣、松田里奈
12/7の「レコメン!」で公開されました。イントロはせわしくキラキラした妖しげなシンセストリングサウンド、闇夜に光が浮かぶ光景が想像されます。ボーカル比でサウンドは大きめに感じました。
1番のAメロは独特で、ボーカルが発声するリズム以外は静寂で曲が静止するかのような緊張感が続きます。しかもイントロよりもテンポがこっそり上がっていて混乱させます。最初からトリッキーな仕掛けで引き込みます。
AメロとBメロは1人1人のソロを受け継いでいくことも特徴的で、それぞれの声をはっきり聞き分けられます。歌はかなりトレーニングしたのではと思います。
サビ直前は急に音が止まり、センター森田の「あ、キスしちゃった」というセリフがとても印象的です。同様に2番は「あ、こんなに好き」です。
サビは深いビートの中、パイプオルガンを思わせる輝かしいシンセストリングをバックに歌います。全体的に歌詞は「月が綺麗で人が恋しく、キスをしてしまって気まずいぎこちない二人」のような内容を歌っています。
この曲も欅坂46では考えられなかった新しい要素満載でワクワクさせられます。個人的にはとても好きなサウンドの雰囲気です。独特のリズムの間やセリフがどうパフォーマンスされるのかが楽しみです。そして内容的にファンの反応は…?!
終わりに
欅坂46から櫻坂46へと改名し新たな方向付けをするシングル。それまで主役となることがなかった2期生から3人をセンターに掲げ、三者三様の新しい魅力を見せてくれました。とてもワクワクさせられるものでした。
今までの停滞を破り、1人1人が輝けるグループへ。リスタートへの期待を込めて、欅坂46で培ったものを継承しつつ、新たなカラーでその道を全力で駆け切り開いていく。欅坂46とはまた異なる、さらに進化した新たな価値を生み出しくれると期待をさせてくれます。
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