Benedikt Eppelsheim(ベネディクト・エッペルスハイム)
久々に濃い楽器ネタを投入します…。
たまに思い出すのですが自分はこういう楽器に熱い人でした(笑)
今回はGuntram Wolf社とコントラフォルテを共同開発したBenedikt Eppelsheim(ベネディクト・エッペルスハイム)。
サイトに載っているラインナップがとってもマニアックなメーカーです。
エッペルスハイムのラインナップのページ
楽器一覧
・Bb管バスサックス
バリサクより一回り大きいBb管。他のメーカーと比べると息の抵抗を減らすためにネックの先が丸く湾曲しているのが特徴的。管の折り返す位置も楽器が少しコンパクトになるようになっています。最低音は一般的なBb(実音Ab)。
・Eb管チューバックス(Tubax)
コントラバスサックスを細くして独自の巻き方でコンパクトに巻いた楽器で、バリトンサックスと同じぐらいの大きさになっています。息の量や重量の面で本来のコントラバスサックスより有利。バリトンサックスのマウスピースに対応。
・Bb管チューバックス
コントラバスサックスの4度下のサックス(バスサックスのオクターヴ下)を"チューバックス"仕様にした楽器、さらに細長い印象になっています。バリトンまたはバスサックスのマウスピースに対応。最低音はピアノより半音低い実音Ab。
・コントラフォルテ(Contraforte)
コントラファゴットの改良版。管を太くして音量ダイナミクスを広げ、音域も4オクターヴを越える機構。管の巻き方もTubax風になっています。最低音はA。
・ソプリロ(Soprillo,Piccolo Saxophone)
ソプラノよりオクターヴ高い最小のBb管ピッコロサックス。楽器が小さいため本来ネックにあるオクターヴキーがマウスピースの中にある独特の構造。最高音はEb(実音Db)。
・コントラバスサックス
通常のコントラバスサックスを形は原形に近いままスリムにし、最低音をAにした楽器。前述のバスサックスの形状と似ていてさらに細長くなった印象。バスサックスのマウスピースに対応。高さ177cm。
・コントラバスクラリネット
コンパクトに巻いた金属製のコントラバスクラリネット。最低音C(実音Bb)。ボアサイズ違いやドイツ式もあり。
所感
こんな感じで大きいサックス、一番小さいサックス、その他大きい木管楽器がメインラインナップという特異で意欲的なメーカーです。
通常の大きいサックスは管が太くて重量が重く演奏にも移動にも大変なので、それを細くコンパクトにしてより実用的にした感じに思えますね。
(参考:本来のサイズの楽器→Jay C.EastonのBass,ContrabassSaxのページ)
チューバックスはサックスアンサンブル等だと厳密には響きが変わってしまいそうですが(外見も統一されない)、合奏で深いパイプオルガンのような響きを付加するには効果的でしょうね。
通常のバスサックスはかなり太くて存在感の強すぎる楽器なので、より調和もしやすそうです。
音を聴くとどことなくコントラファゴットやサリュソフォンに近づいたようなバリバリゴトゴトな感じでした。
ソプリロはかわいい最小のサックスで、このサイズでも通常のサックスと同じ機構というのが驚き。
HPでも補足されていますがこのサイズになると音のコントロールが大変そうですね。
上のオクターヴキーの位置がマウスピースに組み込まれている構造が面白い。
コントラフォルテは木管楽器メーカーWolf社と共同開発のコントラファゴットの改良版。
音域が4オクターヴぐらいに広がり、管も太くて音量ダイナミクスレンジが広がっている楽器。
この広い音域幅についてはカレヴィ・アホのコントラファゴット協奏曲(FOXの改良型を意識して作られた)を意識したのかな、と思ってしまいました。
なんだかコントラファゴットとは全然違う楽器のように見えますね。リードも一回り大きい専用のものを使うようです。
ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団が来日した時にバソンと共にこの楽器を使われていました(それもとても貴重な組み合わせ)。
日本でも所有者がいるようですが、一度ぜひ見て吹いてみたい…。
次回はカスタムメードのページについてさらに濃い話に進んで行きます。