Wolf社のファゴットの改良型 Bassoforte(バッソフォルテ)
古楽器や、現代楽器を大胆に改良した新しい楽器まで、意欲的に製作している木管楽器メーカーのWolf社。コントラファゴットを改良したコントラフォルテ(Contraforte,Kontraforte)に続き、ファゴットを改良したBassoforte(バッソフォルテ)という楽器についての記事を見つけました。
Bassforteについて
Bassoforteについて書かれた記事(追記:リンク切れ)
http://www.br.de/radio/bayern2/sendungen/regionalzeit-franken/basso-forte-fagott-100.html
大まかに次のような内容が書かれていました。
ファゴットはオーケストラの中で金管楽器群にかき消されます。特にBlasmusik(吹奏楽)では。Wolf社は全く新しいファゴットのプロトタイプを開発しました。ファゴットのような形状でさらに太く長く、本質的にファゴットのような音がする。全く新しい楽器で、大きな音量も出せてTubaにも負けないし、静かに演奏もできる。正確な音のための音孔設計を研究し、息の通りなどをテストし、よりダイナミクスのある新しい楽器を製造した。トーマス・キーファーがテストした結果、指位置は音響学によって正確です。現代科学の後に作られるこれらの楽器は、キーと音孔の配置関係の改善がされています。それは全く新しい経験で、とても快適で、気楽さに驚きます。
所感
基本的にはコントラフォルテ同様のコンセプトで、管を太くしてダイナミクスを増し、キー機構や配置も最適なものに改善した、ということだと思います。管が太くなっていて、その分キーパッドも大きくなっていて随分と印象が違いますね。親指側の反対側の写真がないですが、オクターヴ機構もより自動化されているのでしょうね。
こちらで音のサンプルを聴きましが、サリュソフォーン(特にバリトン)に近づいたような、太くて存在感のある響きがありつつも荒々しさもある音という印象。一言で言うと、ファゴットを強くした感じですね。サンプルは低い音ばかり出しているので高音域は不明ですが、ファゴット独特の繊細で滑らかな感じとはやはり印象が違いますね。
とても興味深いですが、ファゴットとしてオーケストラで吹くには音量や音質面で調和するかどうか疑問です…。バソンからファゴットに変わった時も少なからず似たような事はあったとは思いますが(^^;)吹奏楽で派手な曲をやる場合や、ジャズ等ファゴットでは弱すぎてしまうジャンルでは威力を発揮しそうですね。
おわりに
ファゴットの改良型として造られた楽器のBassoforte。基本的にはHeckelphone、Contraforte、Lupophoneのような亜種という位置づけとは思います。今後一般化していくのかどうか、動向が気になります。
追記:こちらのサイトにも解説と写真があります。
http://kingkristopher.com/2013/10/06/bassoforte/