【吹奏楽とファゴット(1)】この曲はファゴットが不要なのでは?と感じた時の考え方
吹奏楽ではこの曲はファゴットが不要なのでは?と感じることがあると思います。その時の考え方について私見を書きます。
・ファゴット
はじめに
ファゴットは他の楽器と比べると大きな音量が出せない楽器であるため、吹奏楽では埋もれがちです。そのため演奏していても意味がないのではと思ってしまう事は確かにあります。
そしてファゴットは「オプション」に指定されることが比較的多い楽器です。任意使用で省略しても演奏可能ということは無くても良いのではと考えがちです。
ではそれらの場合にファゴットは本当に「無くても良い楽器」なのでしょうか?
作編曲者とオプションについて着目して、ファゴットを演奏する考え方について考えていきましょう。
作編曲者について
作編曲者について考えてみましょう。楽譜を出版するほどの作曲や編曲を行う人は、基本的に音大等を卒業して音楽学という学問を修めています。そうでなければ作編曲はそう簡単にできるものではないでしょう。
そんな作編曲者はファゴットと言う楽器を知っているでしょうか?もちろんYESです。全楽器を知ることは基本的な事で、ファゴットの効果を知らないようでは吹奏楽の作編曲はできないはずです。
従ってファゴットを良く知らなくてとりあえず他の楽器からコピペした、なんてことはありません。もし適当に指定したファゴットが入ることによって意図しないサウンドになってしまったら元も子もありませんよね。
どんな譜面もちゃんと意図があり、「譜面があるならファゴットの混ざった音がそこに必要」これは大前提です。楽器があるならそこにファゴットの音ががなければ吹奏楽のサウンドが完成しません。
オプションについて
オプションだからといってファゴットは「無くても良い」のでしょうか?いえ、さきほど書いたようにオプションであってもそこに譜面が存在するので、楽器があるならファゴットの音が必要なのです。
省略できるようにした関係で、結果的に例えばバスクラリネットと全く同じパート譜になっているかもしれません。でもその場合は「バスクラリネットと一体化した響き」が必要なのです。
「オプションだから無くてもいいのか…」と自ら存在意義を放棄する必要はありません。迷わずにファゴットとして主体的にしっかり演奏しましょう。
オプションであっても作編曲者が作った譜面がそこに存在しています。ファゴットの音が入ってはいけないのならば、そこに譜面や音は存在しないはずです。
おわりに
作編曲者はそこにファゴットがある事を意図している、単に他の楽器の譜面をコピーしたと思わない、オプションでも楽器があるなら必須だ、そのように考えて下さい。
考え方次第でファゴットの存在意義のイメージが変わり、演奏により集中できて音楽が楽しめるようになるはずです。
ファゴットの音はファゴットにしか出せません。作編曲者にとってもファゴットという貴重なパレットの色は使えた方が良いに決まっています。
目の前にあるどんなファゴットの譜面もそこに書いてある全ての音も、ファゴットとしての効果があるように吹くことが望まれているのです。
P.S. ファゴットが埋もれて聞こえない?私には2nd Clarinetの2番目の人の音を区別することができません(>_<)
※第1弾を書きました。こういう感じで様々なテーマで書いていこうと思っています。
【類似ブログ記事】