コントラファゴットについて~その1

    楽器探究

コントラファゴットとは何か?

一言で言うと、ファゴットと同じ基本構造で長さを倍にし、オクターヴ低い音が出るように作られている楽器です。(所有楽器>コントラファゴット

ファゴットとコントラファゴット

【音域】
弦楽器ではコントラバス、金管楽器では(大きいサイズの)チューバとほぼ同じ音域を持ち、ピアノの最低音付近まで出すことができます。最低音はファゴットのオクターヴ下のBbが一般的ですが、さらに半音低いAを出せる楽器も存在します。マーラー、ジェイムズ・バーンズなど一部の作曲家がLowAの音を指定しています。高音域はフルートの最低音のCあたりが限界ですが、楽器の特性上高音域はほとんど使うことはありません。ラヴェルのマ・メール・ロワではその下のBまで出てきます。吹奏楽ではコントラバスクラリネットという楽器が使われることがありますが、それともほぼ同じ音域を持ちます。

【用途】
基本的には大編成の管弦楽で編成に指定がある場合に使われます。ハイドン、ヘンデル等古い時代にも作例がありますが、本格的に使われ始めたのはベートーヴェンの交響曲第5番(「運命」と呼ばれる曲)だと言われています。時代が進むにつれ徐々に指定されるケースが増えて行き、ホルストの組曲「惑星」のような大編成では必ずといっていいほど指定があります。ストラヴィンスキーや現代の作曲家が2パート指定した例もあります。吹奏楽でも管弦楽に準じた曲を演奏する場合に使用されますが、オリジナル曲でも指定されるケースが増えています(大半がOption指定ですが)。高価で希少な楽器のため、近い他の楽器(コントラバスクラリネット、コントラアルトクラリネット)で代用したり、代用せず無いままというケースも多いです。その他、オーボエやファゴットのアンサンブル等でも用いられることがあります。

【構造】
ファゴットは2つ折構造ですが、コントラファゴットはファゴットの倍の長さを持ち、6m近くになることから、4つ折構造となっています。ファゴットと比べると金属管部分が多くなっているものが多いですが、管本体はファゴット同様のメイプル(楓)でできています。楽器が大きくて重たいため、バスクラリネット、コントラバス等と同じようにエンドピンを地面に立てて支えます。リードはファゴットより一回り大きい専用のものを使います。1つあたり3000~3500円と高価です。

続く。

   

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Written by みやだい

ファゴット一眼レフ風景写真が好きな「みやだい」です。コントラファゴットやファゴッティーノやバソンも所有、風景写真は定期的にテレビ等に提供しています。旅行、猫も好きです。真面目マイペース平和主義、前向きでいたい。
X(旧Twitter) → @iadayim



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