【演奏会案内】赤坂ウインドオーケストラ 創立10周年記念演奏会
7/22(土)にすみだトリフォニーホールで吹奏楽の演奏会があります。
「バーンズの交響曲第3番を演奏する」と聞くと吹奏楽に詳しい人ならば大きな演奏会であることは想像できると思います。4つの楽章があり吹奏楽としては演奏時間が長く、多くの楽器にソロがあり高い技術と表現力を要する難曲です。
作曲者のバーンズ自身が娘を無くした悲しみや息子が誕生した喜びがテーマになっており、そんな作曲者自身の非常に複雑で幅広い感情が投影されたような、とても聴きごたえがある壮大な作品です。私自身も毎回涙腺が緩んでしまう場面があります。
私はこの曲ではコントラファゴット(Contrabassoon)を中心に演奏します。吹奏楽としてはContrabassoonと3rd Bassoonの持ち替えというパートは珍しく、2楽章ではファゴット3本が長くテーマを提示する珍しい場面もあります。
コントラファゴットはチューバよりもさらにオクターブ下でサウンドの根底を支える部分も多く、視界が揺れるぐらいに大きな振動をビリビリ感じながら吹いています。この曲ではオプションではなく必須の楽器で、サウンドの迫力を増すように意識して吹いています。
・コントラファゴット
通常吹奏楽で一般的な最低音楽器はチューバ(金管楽器)とコントラバス(弦楽器)ですが、そこにコントラアルトクラリネット(シングルリード)とコントラファゴット(ダブルリード)が混ざったサウンド感や音色の豊かさが感じられたら幸いです。
練習日が近づくと脳内で鳴りやまなくなるぐらい、この曲に取り組むのはなかなかハードな体験です。多くの楽器に目立つソロがあったり背景が無音のソリもあり緊張感があります。そんな作曲者の渾身の吹奏楽作品で、何かが伝わる演奏表現ができるように頑張ります。
それ以外の曲目も意欲的です。スミス作曲の華麗なる舞曲(ダンス・ファラトゥラ)はアメリカ的な華やかなサウンドで、こちらも金管楽器を含めた動きの機敏さ、音域の広さなど超絶技巧的な曲です。
ドラゴンクエストIIIもとても有名な曲で、すぎやまこういち氏の名作品です。ゲームのイメージと結びついて心理的な共感を体験できると思います。制限あるファミコンのデータに詰め込んだ原曲が元々クラシック寄りのサウンド感で、生演奏でよりリアルさを感じられると思います。
すみだトリフォニーホールという素晴らしいホールで演奏する、各楽器にソロや技巧的な部分も多く挑戦的な演奏会です。ずっと緊張していますが、豊かな時間が過ごせたと思って頂けるような演奏ができるように頑張ります。よろしければぜひお越しくださいませ。
・ファゴットとコントラファゴット※Twitterで目にした"Triple Bassoon"という表現が好きです。
赤坂ウインドオーケストラ 創立10周年記念演奏会
【日時】2023年7月22日(土) 12:45開場、13:30開演
【会場】すみだトリフォニーホール 大ホール(錦糸町駅徒歩5分)
【指揮者】西野宏
【入場料】後払い制(お気持ち制)
【曲目】
交響曲第3番(バーンズ)*ノーカット
ドラゴンクエストIII(すぎやまこういち)
華麗なる舞曲(C.スミス)
グリーンスリーブスよる幻想曲(ヴォーン=ウィリアムズ) *木管&ハープ
※チケット申し込みはteketから可能です。