【三陸被災地旅行】(1) 気仙沼 ~ 街歩きと丘の眺望で被災の爪痕を体感
こんにちは、旅行散策と一眼レフ撮影が趣味の「みやだい」です。
10月に仙台に用事があった事をきっかけに宮城県から岩手県にかけて旅行に行ってきました。訪れたのは三陸海岸地域の南部の気仙沼、陸前高田、大船渡、釜石です。
東日本大震災の被災地の11年目の今を見る社会勉強の旅行となりました。見て体感してきた被災地の現状と感じたことについて5ページに分けてまとめます。
1日目前半の今回は気仙沼を散策した分の内容です。
【関連ブログ】南三陸(志津川)と野蒜は2019年に訪れています。
仙台~気仙沼(東北新幹線+JR大船渡線)
まず仙台駅09:36発の新幹線30分で一ノ関駅へ、そこから大船渡線に乗り継いで気仙沼駅へ向かいます。
・一ノ関駅の新幹線
※計画段階では仙石線、石巻線、気仙沼線(鉄道+BRT)を乗り継いで行くことも考えましたが、BRTに2時間半乗り通すことを避けたかったので新幹線経由としました。そのため出発は遅めです。
大船渡線は10:17一ノ関発、ガリガリとディーゼルカーの振動、車両は揺れ、加速はゆっくりだがそれなりに速く走ります。林の中ののどかな風景が続きます。
・JR大船渡線
ドラゴンレールという愛称があり「我田引鉄」とも称される「コの字型」区間がある独特の線形の路線。途中の猊鼻渓である程度降りました。ワンマン運転で駅ごとに運転手が改札業務をしていました。
・一ノ関~千厩間は大きく湾曲している
・気仙沼駅の手前
1時間半乗って11:45に気仙沼駅に到着。仙台から2時間、既に遠くに来た感じです。
ホームは鉄道線とここから始まるBRTのホームが一緒になっている独特の構造です。去年訪れた気仙沼線の柳津駅とは違い横に並ぶホームは初めてでした。
気仙沼駅は運転手ではなく改札口で改札業務を行います。事前に新幹線と一緒に一ノ関までしか乗車券を買ってなかったのでここで清算しました。
・駅前は小さなロータリーとのどかな街並み
・気仙沼駅の駅舎
・駅のホームにBRTの車両が来た不思議な感じ
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気仙沼
港へ歩く
港のある南町に向かいますが、数分でバスの乗り継ぎ(11:51発)を予定していましたがロータリーではなく道沿いのバス停があることに気づかず乗りそびれました(バスの便数も少ないので調査と想定が必要)。
そのため歩くことにしました。港の方へ歩くと市役所周辺ぐらいまでは従来の町並みですが、だんだん新しい街並みへ変化し、津波で被災して再建した地域だと分かりました。それを体感できたので歩いてよかったのでしょう。25分ぐらいで次の場所に到着しました。
・途中の市役所前、新設されたBRT駅や高速バス乗り場有り
・少し古い感じの町並み
・新しい街並みの港には「ないわん」という新しい施設がありました
・津波から再建して新しく造成された街並みを見渡す
ないわん(ムカエル等)
・ないわんのマップ
「ないわん」の1つの「ムカエル」の海側には芝生の斜面があり、1,2階に店舗があり海、港、船が見える新しい憩いの場という感じです。
・海を望む
・ムカエルという新しい商業施設
静かでカモメの声が聞こえ、穏やかな波、ラジオの放送局がありその音が響き、のどかな落ち着く雰囲気です。
見渡すと海沿いは堤防に囲われており、この施設も堤防を兼ねた構造になっていました。そのため1階は陸側にしか店舗がありません。
・堤防を兼ねた構造で施設中央部に水門、周辺の海沿いも堤防が巡る
・内陸側にはユワレルとヒラケル
・1階は内陸側だけに店舗が入る
観ていませんが気仙沼は2021年度の朝ドラ「おかえりモネ」の舞台の1つだったようですね。
・隣のウマレルにはラジオ放送局
2階のカフェでカレーを食べました。インドカレー風でスパイシーでした。
かつては街を襲った海ですが、今は静かな海を望みつつ街を守る構造の新しい憩いの場。のんびり海を感じながら休憩して次の丘登りに備えて出発します。
・湾の北側も堤防が巡り水門がある
・海沿いの道路
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気仙沼市復興祈念公園
次は近くにある丘の「気仙沼市復興祈念公園」へ登っていきます。
途中に復興住宅も見かけました。廃墟のようなスナック等が並ぶ坂を登り住宅街へ。やはり歩いて登ると疲れました。
・海沿いにあった公園の解説
・住宅街の坂道を登ります
途中にはBRTの踏切を見つけました。遮断機はBRT側に付いていて独特です。前後にはトンネル。
さらに登って頂上付近の公園前へ。駐車場や新しくてきれいなトイレがあります。
・駐車場
・丘の手前はバスなどの駐車場とトイレ
丘の上に登ると、震災にちなんだ像や震災被害者の名前が並ぶモニュメントがあり、緊張感が出てきます。
丘からは眺望が良く、南側(内湾地区、南気仙沼地区)は海と港と橋の風景、船の音が響き今は穏やかな海ですが、一帯が津波で被災した当時の様子に静かに想いを馳せます。
北側の鹿折(ししおり)地区は川の河口部の地域で、広く新しく造成した雰囲気でした。この一帯も津波が襲った地域で、街の音に混ざって工事の音が響いていました。海沿いや川沿いはかさ上げ、護岸工事をした様子が分かりました。
被災した現地のリアルに触れて感情が動きしばらく呆然としました。他にもここを訪れる人の姿があり想いを寄せていました。このような震災を伝えるメモリアルな場所の意義を感じました。11年経っても今もまだ復興が続いていました。
※近くにはより標高が高い安波山もありますが、徒歩の場合はこちらの方が来やすいです。
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鹿折唐桑駅周辺
下山して内陸側の鹿折地区の街を歩きます。
街中は復興住宅などの新しい建物の合間に空き地も多く、復興中の雰囲気を体感しました。
JR大船渡線の鹿折唐桑(ししおりからくわ)駅は鉄道ではなくBRTに置き換わっています。駅前にはロータリーがありますが、BRT専用道は行き止まりでロータリーを通り一般道に出るルートになっています。
BRT単体の駅は屋根付きの大きめのバス停の雰囲気といった感じです。倉庫のような建物のトイレがありますが、ウォッシュレット付きだったりと新しくてきれいでした。
・駅前のロータリー
・駅の待合室とトイレ
・BRT専用道は行き止まりでロータリーに出るゲートあり
鉄道時代は直進して山ルートで陸前高田へ通っていたようですが、BRTでは海沿いルートに変更になっています。
・ロータリー側を望む(※)
(※)後で駅前のストリートビューを見て震災直後の様子が映っていて愕然としました。道路に大きな船「第18共徳丸」が鎮座、そして周囲に建物はほとんどなし。津波のエネルギーの恐ろしさを感じます。
【追記】2023/12時点では新しい風景に更新され、船を見ることができなくなっています。
さてBRTの駅を見るのは新鮮なので駅の中に入って観察しつつ待ちます。
・大船渡線BRT鹿折唐桑駅へ
・待合室もきれい、運行情報が表示したり新しい設備
・方向別にホームがある
・路線図と時刻表
便数が少ないしこの時は他にこの駅からの利用者は居ませんでしたが、新しく作っただけあって行き届いたきれいな設備でした。
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BRTで陸前高田方面へ
さて気仙沼を後にします。鹿折唐桑を15:13発の大船渡線BRTに乗り、陸前高田駅の1つ手前の奇跡の一本松駅に向かいます。BRTはICカードに対応しています。
・BRTがやってきた
出発するとすぐ道路に出て普通のバス状態に、またすぐに高速道路(気仙沼鹿折IC~唐桑小原木IC)に乗って驚きました。鉄道時代とはルートが変わって海寄りを走るので既存の道路インフラを活用しているのでしょう。
海沿いに出ると車窓からは川や海のかさ上げや堤防の景色が見られ、津波の爪痕を感じました。途中で岩手県に入ります。
※表示時刻はその時点のものであり、最新の情報をご確認ください。
1日目後半に続く。
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