アイドルの枠を越えた表現者、欅坂46の3つの特徴と他のグループとの違い

日時:2019/06/08(土) 22:54     カテゴリ:MUSIC

欅坂46というアイドルグループにハマっています。欅坂46は「笑わないアイドル」、「アイドルらしくないアイドル」とも言われる異例の存在で、表現力を重視したクールでカッコいいパフォーマンス集団です。ただアイドルグループに分類される以上「アイドルなんか」と思う人もいるでしょう。そこで欅坂46がどういうグループなのか、他のアイドルと何が違うのかを説明していきます。アイドルの枠を越えたその存在が様々なアーティストや著名人、非アイドルファン層を巻き込んでいることを理解してもらえればと思います。

・センセーショナルなデビューシングル、サイレントマジョリティーのポスター
サイレントマジョリティーのポスターサイレントマジョリティーのポスター

欅坂46の3つの特徴について


1.楽曲のメッセージの違い


多くのアイドルは明るくかわいい恋愛ソングを歌いますが、欅坂46は根本的に違います。多くの曲のメッセージは「周りに流されずに自分らしく生きること」という「生き方」についてです。その歌詞は若者の葛藤に寄り添い、世の中の理不尽なことに対して反抗、拒絶し、自分らしく前に進んで行くというものです。

表面的な建前ではなく心の奥にある本音に触れる内容であり、一見暗くて重いテーマの曲もあります。明るくてかわいいというよりクールでカッコいいという曲調で、世の中に反抗していくその内容は、言うならば「ロック」です。現代の尾崎豊と表現する人もいます。

以下に一部の曲の歌詞をピックアップします。

◆サイレントマジョリティー
「君は君らしく生きていく自由があるんだ」「初めからそう諦めてしまったら 僕らはなんのために生まれたのか」「この世界は群れていても始まらない」「one of them に成り下がるな」

◆大人は信じてくれない
「こんな孤独でいるのに 僕が絶望の淵にいるって思ってないんだ」「もし痛みが消えないなら 自分自身傷つけてもっと強い痛みで忘れてしまおうか」

◆不協和音
「最後の最後まで抵抗し続ける」「僕は嫌だ!」「嫌われたって 僕には僕の正義があるんだ」「一度妥協したら死んだも同然」「みんな揃って 同じ意見だけではおかしいだろう」

◆エキセントリック
「もう そういうのうんざりなんだよ」「変わり者で言い 理解されないほうが よっぽど楽だと思ったんだ」「普通なんかごめんだ 僕は僕でいさせてくれ」「はみ出してしまおう 自由なんてそんなもの」

◆ガラスを割れ!
「上目遣いで媚びるために 生まれてきたのか?」「おまえはもっと自由でいい 騒げ!」「邪魔するもの ぶち壊せ!」「夢見るなら愚かになれ」「傷つかなきゃ本物じゃないよ」

◆アンビバレント
「誰かの感情気にしてもしょうがない」「孤独なまま生きて行きたい だけど1人じゃ生きられない」「ずっと自分だけの世界に 引きこもっていたいのに 青空の下で また無理をしなきゃいけないのか?」

◆黒い羊
「誰かがため息をついた そうそれが本当の声だろう」「そうだ 僕だけがいなくなればいいんだ」「全員が納得する そんな答えなんかあるものか」「全部 僕のせいだ」「白い羊なんて僕は絶対になりたくないんだ」「まわりと違うそのことで誰かに迷惑かけたか?」

これらを見ると、アイドルとは思えない内容ということが分かるでしょう。

↓欅坂46の世界観を方向付けたデビューシングル

・欅坂46 『サイレントマジョリティー』

2.衣装とパフォーマンス内容の違い


一般的なアイドルは明るく華やかなフリフリの衣装を着ていますが、欅坂46は落ち着いた暗めの色で軍服風の衣装やユニセックスな衣装が多いです。ミニスカートや水着など直感的にいかにも女性として媚びた衣装はありません。かわいいというよりカッコ良い衣装が多く、それが欅坂46の楽曲と相まって世界観のイメージを作っています。

・サイレントマジョリティーの衣装
サイレントマジョリティーの衣装サイレントマジョリティーの衣装
・ライブ「欅共和国2017」のオープニング、エンディングの衣装
欅共和国2017の衣装欅共和国2017の衣装
そんな衣装でのパフォーマンスはコンテンポラリーダンスという現代的なスタイルのダンスをします。アイドルとしての個人アピールではなく、全体で形になるパフォーマンスになっています。アイドルらしい媚びた振る舞いをすることはなく、キレのある激しくてクールでカッコいいダンスをします。表情は楽曲の内容に合わせていて笑顔である必要はなく、真剣な真顔であることが多いです。テレビ番組でも顔が映る事はあまりなく、キレのある1人1人の動きが全体のフォーメーションとして映えるようになっています。

↓激しいダンス曲の1つ、「ガラスを割れ!」

・欅坂46 『ガラスを割れ!』

3.パフォーマンスへの意識の違い


欅坂46は与えられた楽曲のメッセージ性を読み解き、共有することをとても重視しています。これはダンス講師TAKAHIRO氏の教えであり、欅坂46の強い楽曲の世界観を表現して届けることに何よりも意識を置います。その結果全員で一体感のある、表現に入り込んだ気迫のあるパフォーマンスが実現しています。それは他のアイドルグループにはなしえないもので、表現に入り込み過ぎて曲が終わっても戻ってこれなくなったり、体調を崩したりすることもあるほどです。憑依という言葉も使われ、文字通り身を削るほど表現しているのです。

その一体感を実現している要因の1つに実質の「全員選抜」があります。他のグループのような選抜争い、センター争いがなく、全てのポジションに意味があると考えてお互いを精神的に支え合うことで、全体で1つのパフォーマンスとなって強い説得力を生んでいます。誰かを蹴落とす競争意識ではなく、一人も欠けられない仲間意識が団結力を強め、パフォーマンスに集中できています。

↓「不協和音」は平手の「憑依」が露となった曲。入り込むと戻ってこれない魔曲でライブでは避けられている。

・欅坂46 『不協和音』

以上3つの特徴について


「楽曲のメッセージの違い」「衣装とパフォーマンス内容の違い」「パフォーマンスへの意識の違い」。この3つが揃うことで、メッセージ性のある、クールでかっこいい、アーティスティックなパフォーマンスが実現していると考えます。これが欅坂46が他のアイドルグループとは異なる点であり、従来のアイドルらしからぬ要素でもあります。

メンバー達はその強いメッセージ性を持つ楽曲は自分たちへのメッセージととも捉え、それに触発されて体現しています。ある意味アイドルらしくないガツガツしてない謙虚で人見知りメンバーが集まり、楽曲にストイックに向き合うことでリアルな表現になっています。ポジションやセンター争いではなくグループに貢献したいという謙虚で素直な気持ちの向け方も独特で、団結力、一体感、集中力を発揮しています。そういう表現意識と一体感により、圧倒される気迫あふれるアーティスティックな表現が実現しています。

このように欅坂46は表現を重視したパフォーマンス集団であり、その雰囲気はもはやアイドルグループであることを忘れさせ、「表現者」という表現が合います。欅坂46のパフォーマンスが強い世界観を持つ楽曲を呼び寄せている、と言う人もいます。そんなアイドルらしからぬ強いメッセージを持つパフォーマンスは、業界を問わず様々な人を魅了しています。

欅坂46のファンを公言したり称賛している有名人は、NHK大河ドラマの主役の歌舞伎役者の中村勘九郎、立憲民主党の枝野幸男代表、内村光良、明石家さんま、広瀬すず、吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)、森山直太朗、前田敦子、田嶋大樹(オリックス)、ベッキー、西川貴教、本田翼などです。ロック誌でも取り上げられ、異例にもロックフェスにも出演し、アイドルに興味がなかった層も取り込んでいます。アイドルには収まらない異例のグループといえます。

・欅坂46のエンブレム
欅坂46のエンブレム欅坂46のエンブレム

平手友梨奈について


その中で忘れてはいけないのは、平手友梨奈という天才、カリスマの存在です。中3でデビューシングルから終始センターを務め、一人で背負いながらも驚くほどのパフォーマンスをします。強いメッセージ性の楽曲の表現に入り込んで戻ってこれなくなることもあり、憑依型ともいわれています。坂道AKBの「誰の事を一番 愛してる?」ではアイドルの先輩方を従えてセンターを務め、デビューから最も日が浅い平手が圧倒的なオーラを発揮し、その類まれなる才能を世に見せつけました。

・坂道AKB『誰のことを一番 愛してる?』


平手は4thシングル「不協和音」の頃からあまりにパフォーマンスに入り込み過ぎて体調を崩すようになりました。他のメンバーがそれを補うことで自我が芽生え、平手の凄さを知ると共にグループを守りたい気持ちが高まり、様々な試練に適応する形でグループとして成長していきました。平手のリスクを伴うパフォーマンスには常に危うさがあり、今しかない刹那的な存在であり、それも欅坂46に惹かれる魅力の1つです。

・平手はロッキングオンジャパンの表紙に異例の抜擢
ロッキングオンジャパン表紙の平手友梨奈ロッキングオンジャパン表紙の平手友梨奈

終わりに


欅坂46は一般的な明るくかわいい女子に熱狂するタイプのアイドルグループではありません。もちろんアイドルとしてのビジュアルは磨かれ、ファッション誌のモデルも排出しています。ですが基本カラーは「生き方」についてのロックな歌詞、クールでカッコいい衣装とパフォーマンス、表現への強い意識です。人のダークな面に共振、呼応することで奥深い表現をし、メッセージを届けています。映画やミュージカルを見ているような世界観を持ち、ライブでは時に怖いぐらいに鳥肌が立つようなパフォーマンスもあります。アイドルであることを忘れさせ、表現者としてのエネルギーを感じられ、刺激になり勇気付けられます。

欅坂46の強い世界観、心の奥に入ってくる表現。そのアーティスティックなパフォーマンスは、非アイドルファン層の心をもつかみ、男性だけでなく女性ファンもかなり多いです。ロック業界の他有名アーティストや著名人も欅坂46に触発されています。若者でなくても本気で頑張っている人、理不尽さに抗っている人の心にも響くものであり、今の世の中が必要としているメッセージを届けている存在です。ぜひアイドルという先入観、偏見なしに見てその魅力を感じてほしいです。

↓「黒い羊」は現時点の表現の集大成

・欅坂46 『黒い羊』


P.S. 欅坂46の1つの完成形は「欅共和国2017」というライブです。DVD/Blu-rayが発売されていますので是非見てみて下さい。





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