【吹奏楽とファゴット(8)】紺碧の波濤(長生淳) ~ コントラファゴットが活きる吹奏楽曲の1つ
「吹奏楽のコントラファゴット」として特筆する曲の1つ「紺碧の波濤」(作曲:長生淳)について書きます。

はじめに
長生淳作曲の「紺碧の波濤」は 1st Bassoonの他に "2nd Bassoon & Contrabassoon" というパートがあり、持ち替えがある珍しいパート構成になっています。
そのパートで2度演奏したことがありますが、激しくダイナミックな曲ながらファゴットの歌い込みもコントラファゴットの迫力も活かされるやりがいのある曲だと感じました。
そんな曲を演奏した時の個人的な実感について書きます。(前半・後半分けは便宜上です) ※楽曲自体の解説とは異なります。
曲のイメージ
前半
冒頭は静かな場面でとても緊張感がありますが、Euph,Tubaに続いてファゴットが入る部分もかなり緊張感がある大事な部分です。1stの他に2ndとコントラバスも演奏していますが、ここは1拍前から音が始まる1stファゴットがリードする場面でしょう。
ほぼ無音の状態からの音の入りはちょっと怖いですが落ち着いて主体的な意識で演奏します。大きな音でなくても必ず聞こえるし力まずに一番自然で良い音で、そしてクレシェンド、デクレシェンドでしっかりアゴーギグを付けます。フレーズが拍通りではなく覚えにくいので良くイメトレをする必要があります。
次は無音の緊張感の後にフルートと一緒に入りますが、歌心と音色が大事だしやはり拍とフレーズのずれには注意です。ここは「楓葉の舞」序盤にも似ている長生氏らしい雰囲気です。2ndがファゴットで吹くのはここまでですが、このパートはファゴットとしても音が通るししっかり主体性が必要で緊張感がある重要な部分でした。
篠笛が雰囲気を出しているところでコントラファゴットに持ち替えますが、ここもこっそり目立たないようにある程度全体音量が大きくなってからが良さそうです。コントラファゴットとして吹き始めますがクレシェンド、デクレシェンドは波をイメージしてのメリハリが大事、ファゴットよりもダイナミクスがあるし深い低音の効果も活用できます。
テンポが速くなる所からはアクセントが大事ですね。伸ばしは少し減衰しても良いぐらいかもしれません。他の木管低音と一緒に揃える意識で、コントラファゴットらしい鋭いアタックを活かします。
後半
楽譜2ページ目から細かく動き出しますが、ここは思い切りコントラファゴットらしくバリバリ吹く感じです。確認して欲しいのは1stファゴット等との絡みがあるのでタテが揃うようにすることで、ビート感や指のもたつきに注意です。
全体が盛り上がった時のLowDを伸ばすのは他と完全にかぶってないコントラファゴット単独音で珍しい使い方です。嵐の轟音のイメージで、思い切りサウンド全体を幅広く深く支えるように吹きますが、ここが一番たまらない部分です。実はチューバとコントラバスは2オクターヴ上でリズム系をやっているし完全独立の深み担当です。
その後に低音から始まる細かい動きはゴリゴリうごめいている雰囲気を出します。コントラファゴットはファゴットよりもアタックが鋭いのでこういう力強い音は効果的です。スラーの位置が細かく変わっているのが注意ですが、厳密にやっても分からないと思うし雰囲気重視で良いのではと思いました。
場面が変わり高音域のオーボエの哀愁を帯びた旋律から始まる繊細な木管の動きへ。最後にちょっとだけ吹きますが、これも低い音域だし結構目立ちます。木管アンサンブルを深く支えますが力まずに丁寧に、吹きすぎなくても自然と全体を支えられるし、デクレシェンドも繊細に。
最後の速い動きから一転して思い切りバリバリとアグレッシブに吹きますが、ここも主体的に一番目立つぐらい積極的に攻めて良いと思います。そして最後のクライマックスで終えます。
おわりに
「紺碧の波濤」の"2nd Bassoon & Contrabassoonパート" について感じたことをまとめました。これが絶対的な答えというわけではありませんが、何か部分にでも参考になりましたら幸いです。
吹奏楽のコントラファゴット使用曲ではかなりやりがいのある曲です。単独の動きがあったり低い音域やアタック感やメリハリなどコントラファゴットらしさが活かされる曲で、主体的な役割を感じられます。
序盤の2ndファゴットもとても大事で、性格の異なる両方の楽器をしっかり吹き分ける意識・技術も必要で、挑戦的なパートで苦労しました。吹奏楽でもこういうファゴット&コントラファゴットが活きる曲があるのは幸いですし、もっと増えたらいいなと思います。
トランペット等他の楽器もかなり大変でレベルが高い曲だと思いますが本当に素晴らしい曲です。選曲としてはコントラファゴットがネックになるかもしれませんが、楽器がある場合はぜひ挑戦してみてください。
P.S. 音楽コンテンツ「ファゴットの部屋」に 演奏した楽曲 のページを作りました。


















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