【欅坂46】8thシングル「黒い羊」のMV公開と発売、最近の動向
友人の勧めで注目し始めて平手友梨奈という天才の存在を知り、ライブに行ってその世界観に一気に引き込まれた欅坂46。その最新シングルが発売された。
8thシングル「黒い羊」のMV
欅坂46の8thシングル「黒い羊」の発売に先立ち、MVが公式サイトで、後にYoutubeでも公開された。
■欅坂46 『黒い羊』
https://www.youtube.com/watch?v=MAkIYZiyJq4
MVは平手を中心とした視点で廃墟の中を進んでいくノーカットの撮影。周りでは様々なメンバーや役者が争ったり罵ったり泣き叫んだり様々なトラブルの場面を演じている。その中でヒガンバナを持った平手とメンバーが抱きしめ合い、突き飛ばす等、感情をむき出しにして絡み、コンテンポラリーダンスで進行する。
「黒い羊」とは通常の白い羊に対しての「厄介者」の比喩。これはサイレントマジョリティー、不協和音、ガラスを割れ、エキセントリックと同じように、周りを気にして流されて自分を押し殺していくことに対する反抗をメッセージとしている。
歌詞には、理解されない葛藤を抱えながらも自分らしさへの決意が書かれている。自分らしく生きることをクールに主張する欅坂46の世界観を、改めて現在の欅坂46のパフォーマンスで表しているといえる。
感想
MVを観ると各メンバーのパフォーマンス力が格段にアップしていることに驚かされた。特にフロントになった小林、石森、小池、佐藤が特に目立つ構成で好演しているのが印象的。
メンバー達は過去のライブで平手不在の代役を担ったりしたことからも成長したのだ。平手は物語の軸となる主人公として踊り続ける大役をこなし、最後のソロダンスでは表情を含めその凄さが際立っている。
歌詞もとても洗練されている。この曲が表している若者の葛藤、メンバーの現在の状況(成長したこと、卒業者や将来等の様々な迷い、グループ愛の感情)がリンクし、本気で全身で演技している姿を観ると何か感動的で、感情が噴き出しそうになってくる。
特に印象的である抱きしめるシーンはグッとくるものがある。最後のサビで畳みかけるように主張が続くクライマックスは引き込まれ、心を揺さぶられて曲を終える。
人々が感じている生きづらさの負の感情をなぞらえ、そこから抜け出そうとする強い意志のメッセージは、若者に限らず大人にも共感できるものがある。周りに流されず自分らしく生きること、そんな力強い勇気を与えてくれる。この作品によって悩んでいる誰かが希望を見出すことができたら良いなと思う。
・CDのブックレット
欅坂46の位置付け
欅坂46はアイドルに分類されるが、その範囲には収まらない。明るく恋愛歌を歌い笑顔でかわいく振る舞う一般的なアイドルとは全く異なる。
世の中が求めている心に響く深いメッセージを訴え体現している表現者、アーティストである。特に平手友梨奈という存在が大きい。中村勘九郎、イエモン、森山直太朗、セカオワ等著名アーティスト達が認めているように、アイドルという偏見なしに、多くの人に届いて衝撃を受けてほしい。
世の中は年功序列・終身雇用の崩壊、ワークライフバランス、価値観・生き方の多様化など、常識を疑い既成概念を崩す方向に進んでいる。今までの社会での生き方は自分を押し殺し決めつけられたことに従いロボットになることだったが、自分らしい個性と意思によって切り開いていく時代へと変化している。欅坂46のメッセージはそんな時代の生き方を象徴するものだ。
・平手はロック専門誌にも特集が組まれた
グループの最近の動向
グループとしては3人の卒業と2期生の加入、そしてあいまいな存在だった妹分のけやき坂46が日向坂(ひなたざか)46へと改名をし事実上の独立を果たした。
メンバーの卒業と新規メンバーの加入と言うグループとしての必然の流れを進んでいるが、今後どのように影響していくのだろうか。
他グループは選抜争い、センター争いがあり、お互いがライバルだ。欅坂46はそれとは異なり実質「全員選抜」であり、その事を謙虚に感謝しつつ独特の団結力を生み、それがパフォーマンスにも表れている。メンバーの入れ替わがあってもコンセプトと雰囲気が変わってほしくないというのがメンバーやファンの願いであろう。
改名した日向坂46はデビューシングルを発売する。けやき坂46時代から「ハッピーオーラ」をモットーに活動していて、一般的な明るいアイドルであり、欅坂46とはカラーが大きく異なっている。グループの読みが同じであることから認知が進まずにメンバー達も悩んでいた所での改名だ。喜びと共に欅坂46と別れる事への複雑な想いもある状況だが、今までの葛藤を吹き飛ばすように活躍してほしい。
追記:この文をUPする直前に長濱ねるがブログで卒業を発表した。欅坂46、けやき坂46両方に関わるメンバーであり、その分離を象徴するようなタイミングだ。人気メンバーでもあり、グループやファンに動揺が広がると予想される。
P.S. 去年は欅坂46のライブに3回行ったが、今年も生の臨場感を楽しみたい。欅坂46のメッセージの通り自分らしくやりたいことをやって人生を充実させることを体現したい。