ファゴットアンサンブルとはどのようなものか
ファゴットアンサンブルというとどんなサウンドなイメージだろう。ほとんどの人は聞いたことがないと思うが、一番雰囲気が近い編成をあえて決めるとしたらサックスアンサンブルかもしれない。
サックスアンサンブルから鋭さ・ダイナミクスを減らし、芯よりも響きを増し、少し静かめにしっとりと上品にしたイメージ。と言葉ではうまく表現できないですが・・・ファゴット特有の柔らかい響きが、他の音が聞こえない中で空間を響かせるのは印象的で心地よくもあります。特にハーモニーは心地よい。
クラシカルな3和音だけでなくジャズ風に近接音をぶつけたりテンションノートを加えたり、近代的なハーモニーも意外によくマッチします。落ち着いたクラシカル系の曲の柔らかいハーモニーも良いが、あまり激しくないジャズ系の曲もよく似合います。ブラシで叩くドラムが入るととても効果的でムードもでます。個人的にはファゴット4本+ブラシドラム、がベスト編成だと思っています。
コントラファゴットですが、この楽器が入るとサウンドががらっと変わります。ファゴットだけの落ち着いたまろやかな響きに、深みというより鋭さ、威圧する雰囲気が加わります。
ファゴットとは音の性質が多少違うので正直あまり調和しません。うまくコントロールして柔らかく吹ければいいですが、無秩序に吹くと荒々しく目立ちすぎてサウンドを壊してしまいます。ですがバンドのエレキベースのような「ベース」パートが明確に分離されたような雰囲気を出すには効果的。使い方次第ですね。
ファゴットアンサンブルを聴く機会はなかなかないかもしれませんが、初めて聞くと斬新なサウンドというのもありますが、本当に魅力的で絶対引き込まれます。参考までにFgアンサンブルが聴けるCDを紹介します。
オススメのCD:
・Universal Melodies(トゥルコヴィッチ氏と弟子達)
ほぼFgだけのアンサンブル(1曲だけコントラFgあり)、とにかくハーモニーが心地よい、いかにもこれがファゴットだという感じの古典的で、上品で落ち着いた丁寧なサウンド。クラシカル、しっとりしたジャズなど。
・Quadriga Bassoon Ensemble:展覧会の絵(カドリーガ・バスーン・アンサンブル)
展覧会の絵(コントラFg有)、タンゴ組曲(打楽器付き)など。上記よりももっと意欲的で若くかっこいい雰囲気。アレンジも演奏もサウンドとしての魅せ方がうまい。タンゴ組曲等は古典的なファゴットというよりもっとポピューラー・ジャズ寄りな雰囲気(ただFgらしらを失わない程度に)で、技術も高い。個人的にすごく好き。
番外編:
・The Bassoon Brothers ※これはちょっと曲者
他と比べると少し雑というか、邪道なイメージ(^^;) Fagottino等特殊な楽器を取り入れたり、MIDIが入ったりエフェクトしたり・・・。とにかく斬新です。
ということでフェスタのアンサンブルでもそんな雰囲気が伝わるように頑張ります・・・!