ファゴッティーノ - Fagottino(Octave Bassoon)

「ファゴッティーノ」とは、小型ファゴットの総称ですが、所有しているのはファゴットより1オクターヴ高いC管の楽器です。全長がファゴットの半分という、小さくてかわいいファゴットで、全長63cm、重さも350gととても軽い印象。ファゴットよりも明るく鋭い音がしつつ、オーボエやイングリッシュホルンよりも音の芯が太く、少し包まれたような柔らかさがあります。キーはバロックファゴットに似たシステムでシンプルに簡略化されていますが、基本的な運指はほぼ同じです。リードはファゴットのものでも吹けなくはないですが、一回り小さいものを作る方がスムーズな演奏ができます。しかし、正確な音程での演奏はとても難しく、リードの工夫を試行錯誤しています。楽器との距離が近く、普通のストラップでは演奏できないため、専用の小型ハーネスストラップが付属していますが、大人には持ちにくいというのが本音です。

小型ファゴットは本場ドイツでは子供用として普及しているようですが、日本国内では非常に希少な楽器です。確認できた範囲では、国内で2本しかないようです(2008年時点)。この楽器は、現代曲での使用の試みのためにN響にレンタルしたこともあります。

C管の他にはF管(Quint-fagott、クイントファゴット)・G管(Quart-fagott、クワルトファゴット)が存在し、これらはTenoroon(テナルーン)とも呼ばれます。さらに詳細はwikipedia参照→ http://en.wikipedia.org/wiki/Tenoroon

日記:タグ「C管ファゴッティーノ特集」 もご覧下さい。

音域と記譜

C管ファゴッティーノの音域

C管ファゴッティーノの音域は実音表記で、ヘ音記号第2線のB♭から、ト音記号第5間のFまでの2オクターヴ半です。但し、低いBは出すことができず、低いC#はハーフホール運指のため非常に不安定です。音域の位置を他の楽器と比べると、テナーサックスとアルトサックスの中間、オーボエのオクターヴ下(バスオーボエとほぼ同じ)、といった感じです。音域幅はオーボエ属、サキソフォン属とほぼ同じで、ファゴット(3オクターヴ+4度)よりは狭くなっています。記譜は実音に対してへ音記号でオクターヴ低く記譜することで、運指と譜面がファゴットと統一されます。

写真

機種

メーカー:Wolf (ヴォルフ)
機種:FG8plus professional model
定価:秘密
仕様:C管、9キー(oct,C#,Bb,F#,F,Ab,D,Bb)、銀メッキキー、全長63cm、350g
購入時期:2008年5月1日
付属品:ソフトケース、棒状スワブ、ボーカル1本、ハーネスタイプのストラップ

Wolf社が小型ファゴットを製作していることをホームページで知り、efwanさんが所有しているG管(クウィントファゴット)を吹く機会があり、いつかは欲しいと思うようになりました。ある日、思い切ってWolf社とメールでやりとりをし始めました。日本には恒常的な代理店がないとのことで、個人への販売も問題ないとのことでしたが、英語力(本来はドイツ語ですが)不足のため明確な取引へ踏み込むことができず、購入には至りませんでした。欧州の通販サイトでこの楽器を扱っている所に問い合わせをしても、日本への輸送はできないと返事を受けました。そこで今度はWolf社のファゴットを扱った事がある日本のお店に輸入代行をお願いし、ついに手に入れることができました。メーカーから半年かかると言われていましたが、実際は3ヶ月程度で届きました。

リードについて

ファゴッティーノのBOCALはファゴットのものよりもわずかに径が小さいため、ファゴットのリードをそのまま使う場合には息もれ防止のためにBOCALの先端に糸を巻く必要があります。しかしこれではリードが楽器に対して相対的に大きいため、全体的に音程が不安定で、高音域も安定して出すことができません。そこでファゴットのリードを若干小さめの寸法にしたものを何種類か作って試してみています。しかし単に小さくするだけでは実際にはなかなか安定した音が出せず、特定の音の音程・レスポンスが悪い場合もあり、様々な試行錯誤をしています。BOCALへのフィットですが、当初通常のマンドレルを使用して4本ワイヤー(第3ワイヤー付近を2つに)にしましたが、BOCAL自体をマンドレル代わりに直接差し込む方が的確にフィットすることが分かりました(BOCALを痛めない程度に…)。特定の音の音程が悪いことがブレード面積が広いことが原因かと思い、ショートスクレープも試しましたが、短すぎると発音が難しい(恐らくBOCALに厚みが大きいことも原因?)ことから断念。EnglishHornリードで試したら全く振動を起こすことができず、Oboe属(同じ音域のBassOboe)よりは大きめに作らないといけないことを実感。これらを元に、Fgと同じ作り方で全体的に寸法を小さくし、ブレードは若干広がりを抑えつつ(ただ狭すぎると低音域が出せない)、長さは少しカットする程度のバランスが最適と予想し、最終調整中です。

ボーカルについて

C管ファゴッティーノ(FG8plus)にはウィスパーキーの機構はありませんが、Bocalのそれらしい位置に小さな穴があいています(内側への突起はない)。これはまさにウィスパーキーで、何かでふさぐと中低音域の息の流れと発音がスムーズになり弱奏がしやすくなり(高音域は吹きにくくなる)、開くと高音域が吹きやすくなります(低音域と弱演奏が吹きにくくなる)。このようにしっかりとファゴット同様の効果がある穴なのですが、キー機構が省略されたため、この楽器の本来の性能が発揮できないのがちょっと残念です。子供用という基本コンセプトの楽器なので仕方ないですが、もったいないのでリペア屋さんに追加してもらいたいです^^; 親指を置く位置ができて構えも安定しそうですね。

アクセサリ

  • ソフトケース
  • 自作ハードケース
  • ハーネスストラップ : 輪を2つに分解してミニショルダーストラップとして使っています。
  • 掃除棒 : 木製の細長い棒に布がついている。

【関連】 ファゴット コントラファゴット

※ファゴッティーノについて気になる事がありましたらお気軽に「お問い合わせ」からご連絡下さい。