佐賀県の方が筋が通っている?泥沼の長崎新幹線建設問題

日時:2019/05/29(水) 23:01     カテゴリ:DIARY

迷走する長崎新幹線建設の問題、新幹線好きとしても注目している話題です。長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)は博多駅から佐賀県を通って長崎駅までのルートで計画されています。現在は末端の長崎県部分だけがフル規格で建設が進んでいます。間の佐賀県は建設に反対していますがなぜそうなったのでしょうか。

・博多駅の九州新幹線
博多駅・九州新幹線博多駅・九州新幹線

長崎新幹線の現状


長崎新幹線は長崎県にとってメリットが大きいものです。九州最大の都市にある博多駅まで直通し、現在の特急よりも時間を短縮することができます。しかし佐賀県は既にある九州新幹線の新鳥栖駅が近く、特急で博多に短時間で出る事ができるため、わざわざ多額の費用をかけて長崎新幹線を建設する必要がないのです。

そもそも佐賀県は当初予定していたフリーゲージトレイン(FGT)の開発が前提で、つまり在来線をそのまま活用する前提でこの計画を受け入れていました。前述の通りフル規格の線路を建設するというメリットが少ない多額の出費は受け入れられなかったのです。ところがFGTの開発はトラブルが発生してとん挫しました。その結果、長崎~武雄温泉はフル規格、武雄温泉~新鳥栖は在来線を利用する形、いわゆる「リレー方式」で2022年に暫定開業することになりました。

乗り換えの不便さや時短効果を考えれば全てをフル規格で作るのがベストです。しかし私は佐賀県の言い分を理解できます。前提条件のFGTが満たせなくなったのだから、立ち返って計画全体を見直すべきです。末端の長崎県内をフル規格で作り始めたからという理由でその間の佐賀県も受け入れるべきというのは無理があります。そもそも長崎県内で最初に認可を受けた「スーパー特急方式」というのは暗黙的にフル規格に昇格を狙ったものになっている事が良くないと思います。

・長崎の観光地、2015年に世界遺産となったグラバー邸
グラバー邸グラバー邸

個人的アイデア


迷走、泥沼状態になっていますが、個人的には元の計画に沿ってスーパー特急方式に戻すことが良いと思います。佐賀県内はそのまま在来線を走り、フル規格で作り始めた長崎県内は高規格の在来線に変更して利用する。長崎県内の路線の線形が良くなりスピードアップするので十分メリットがあります。長崎は魅力的な都市ですが、人口規模からすると正直全線フル規格は贅沢だと思います。高度経済成長期とは異なり人口減少、高齢化、一極集中時代であるし、建設費、維持費などの面でもJR北海道の厳しい現状を見ると軽視できません。

・路線維持が課題のJR北海道
路線維持が課題のJR北海道路線維持が課題のJR北海道
もう1つの案は「一方ロシアは鉛筆を使った」的発想で、新幹線の車軸に在来線幅の狭軌の車輪も付けることです(マルチゲージトレイン?)。設計は在来線基準になるのでFGTの車体サイズを流用でき、シンプルで済みます。これなら新幹線も狭軌の在来線も走る事ができ、武雄温泉を直通できるだけでなく、新在直通の新幹線として四国など他の地域でも活用できる可能性があります。そもそも軌間を変えるとか改軌するとかフル規格別線を作るとか、費用をかけた大掛かりなことをする必要はないのではと思います。

・マルチゲージトレイン
マルチゲージトレインのアイデアマルチゲージトレインのアイデア

終わりに


末端の長崎県内だけフル規格で建設が進んでいる長崎新幹線。佐賀県は元々FGT前提で認可し、費用のかかるフル規格は容認していません。いつの間にか全線フル規格で建設という風潮になっていますが、佐賀県はその圧力に屈しないでほしいです。時代が変化していることも考え、多額の建設費と維持費が必要な新幹線の建設は慎重になるべきです。フル規格前提ではなく元に立ち返って計画全体を見直すべきです。両県が誠実に議論し、諫早湾干拓のような負の遺産にならないことを望みます。

・長崎の観光地、2018年に世界遺産となった大浦天主堂
大浦天主堂大浦天主堂
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