みやだい日記

コントラファゴットとコントラバスクラリネットの違いや導入についての私見

投稿日時:2018/11/01(木) 22:46   カテゴリ:MUSIC

吹奏楽で編成を拡張するいわゆる特殊楽器のうち、サウンドを土台から豊かにする楽器にはコントラバスクラリネットとコントラファゴットがあります。これらの楽器がある団体は資金が豊富でサウンドへのこだわりが強い印象を受けます。サウンドの深みもさることながら、そのビジュアルも注目を集めます。私も他団体のその姿に憧れて、就職してからコントラファゴットを購入するに至り、活発に活動しています。

コントラバスクラリネットとコントラファゴットはそれぞれバスクラリネットとファゴットのオクターヴ下の楽器であるため、音域も役割も似たものになります。では両者は何が違うのでしょうか?どう使い分けていくべきでしょうか?両方を何度も使って演奏をしてきた経験をもとに書いていきます。あくまで私見ですので独自の解釈もあるかもしれません。

・ファゴット、コントラファゴット、バスクラリネット、コントラアルトクラリネット、コントラバスクラリネット
木管低音群木管低音群

コントラファゴットはオーケストラのコントラファゴットがベース



・ファゴットとコントラファゴット
ファゴットとコントラファゴットファゴットとコントラファゴット
吹奏楽のコントラファゴットの位置づけは、オーケストラで使われるコントラファゴットそのものがベースとなっていると思います。オーケストラではコントラファゴットはファゴットのオクターヴ下を追加したり、ベースの核であるコントラバスを補強し、サウンドにより重厚さを加える役割を持っています。ただあくまで補強であるため、オーケストラではコントラバスの繊細な動きを一緒に吹くことはあまりなく、強調したい部分で用いられ、吹く音自体は少ない傾向です。

吹奏楽全体では指定曲はコントラバスクラリネットほど多くなく、あってもオプションである場合がほとんどです。吹奏楽での用途の基本はオーケストラのアレンジ曲で元々編成に含まれている曲です。オリジナル曲でも大編成の曲で指定されることがあり、作編曲者の意図するサウンドの深みを作るためにはぜひ取り入れたいです。中にはファゴットの2ndや稀に3rdとの持ち替えというケースもあります。

楽器の特性上低い音域が得意であるため、チューバやコントラバスクラリネットよりも低い最低音付近までの低音域がよく使われる傾向があり、サウンドの音域を広げる効果もあります。吹奏楽ではコントラバス音域の楽器が貴重であることから、オーケストラよりもコントラバスと同じ部分を吹くことが多めの譜面になっています。基本的には基礎サウンドに組み込むというよりは、特定の曲でより壮大にする楽器といえます。

なお、ファゴットはあまり直接的には目立たない印象があると思いますが、コントラファゴットはファゴット以上に音に力強さ、威力、存在感があります

コントラバスクラリネットは基礎サウンドを豊かにする



・コントラアルトクラリネットとコントラバスクラリネット
コントラアルトクラリネットとコントラバスクラリネットコントラアルトクラリネットとコントラバスクラリネット
コントラバスクラリネットもベースパートを補強する役割ですが、コントラファゴットと比べるとより調和的な位置付けで、コントラバス的に基礎サウンドに組み込まれる使い方をされることが多いです。それはクラリネット属の特徴として弱音が得意であること、音色がコントラファゴットほど鋭くないこともあると思います。

演奏効果としてはコントラバスやチューバと調和してサウンド全体により深みを増して豊かにしたり、バスクラリネットやファゴットとのオクターヴ下で木管低音サウンドを豊かにしたりします。ピッツィカート的な演奏はコントラファゴットよりも得意です。

同じ曲で譜面に書かれる音はコントラファゴットよりも多いです。最低音付近を使う頻度はコントラファゴットより低く、コントラファゴットより少し高めの中音域を中心に譜面が書かれている傾向にあります。LowEbとLowCの楽器が共存していることとバスクラリネットに2ndが居ないことも一因かもしれません。

コントラファゴット以上に指定される曲が多く(アルメニアンダンスなどオプションでない場合もあり)、コントラファゴットの代用として使われる場合もあります。団体によっては全部の曲にコントラバスクラリネットを編成に入れているケースもあり、基礎サウンドに組み込むことができる楽器といえます。

またクラリネットアンサンブルでも八重奏などで指定されることがあり、クラリネットアンサンブルを盛んにする場合にも取り入れたい楽器です。クラリネット奏者が多いことも含めて使いやすい楽器です。

関連:コントラアルトクラリネットについて


広義のコントラバスクラリネットの1種としてコントラアルトクラリネットがあります。Bb管に対して4度高いEb管で、バスクラのショート管同様に最低音はLowEb(実音Gb)であることがほとんどです。

基本的にはコントラバスクラリネットと同等の扱いでその代用というケースが多いですが、コントラバスクラリネットがなくてコントラアルトクラリネットの譜面だけがある場合(委嘱作品や、作編曲者の考えで)や、両者を明確に区別するこだわった曲もあり、その扱いは統一感がありません。コントラバスクラリネット同様にサウンド全体を支える深みを持ちつつ、バスクラリネットに近くより機敏に動ける楽器でもあります。

コントラバスクラリネットほど深みはありませんが、その代用としても選択肢になる楽器です。Eb譜はヘ音記号と見た目の高さが同じでベース系の譜面を流用しやすいメリットもあります。リードは楽器のメーカーにより、コントラバスクラリネット用を使う場合とバスクラリネット用を使う場合があるので注意が必要です。

どちらを先に導入すべきか?


コントラファゴットとコントラバスクラリネットのどちらを先に導入すべきか?効果、扱いやすさ、費用の視点で見ていきます。

効果には前述の通り、オーケストラ曲を良く演奏する場合にはコントラファゴット、基礎サウンドを豊かにするにはコントラバスクラリネットかと思います。つまり汎用的に使えて手っ取り早く効果が出るのはコントラバスクラリネットの方です。コントラファゴットはオリジナル曲でも重要な曲はありますが(長生淳の紺碧の波濤など)数は少なく、オーケストラ曲をあまり演奏しない場合はもったいない気がします。

扱いやすさについては、ファゴットよりもクラリネット奏者が多いので使いやすいのは言うまでもありません。またバスクラリネットとコントラバスクラリネットは運指が同じですが、ファゴットとコントラファゴットの運指は若干の違いがあり、別途覚える必要があります。リードについては、コントラファゴットのは高価で流通量が少ないので入手がしづらい場合があります。コントラバスクラリネットはお馴染みバンドーレンなどにラインナップがあり、他のシングルリード楽器ほどではありませんが入手はしやすいです。

費用の問題ですが、実は意外かもしれませんが(現在一般化しているメーカーの)コントラファゴットの方が安いです。コントラバスクラリネットは木製のセルマーだと定価約300万円(コントラアルトは約170万円)、コントラファゴットは普及しているコスパの良いアマティやタケダだと定価は100万円台前半です。それ以外にはコントラバスクラリネットには金属製、プラスチック製のもっと安価な楽器も存在しますが、コントラファゴットは300万、500万、700万とずっと高い機種が並ぶのでそれらは選択肢になりづらいです。

以上のように団体が求める効果、扱いやすさ、費用を総合して検討することになります。

まとめ


オーケストラ曲をよく演奏する場合はコントラファゴット、基礎サウンドを豊かにしたりクラリネットアンサンブルをする場合はコントラバスクラリネット、その予算的妥協点としてコントラアルトクラリネット、といった感じになると思います。

さらに団体が求める効果、扱いやすさ、費用などを総合して検討すると良いと思います。あまり流通しませんが中古で購入する方法や、購入しなくてもレンタルする手もあります。サウンドも見た目も豪華になるこれらの楽器をぜひ取り入れてみて下さい。なお、いずれも吹奏楽コンクールの課題曲では使えないことに注意が必要です。



タグ:音楽 吹奏楽 コントラファゴット コントラバスクラリネット コメント(0)


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